米PGAツアー4戦目にして舞台はマレーシアへ これは長期的経営戦略の一環だ

ParOn.(パーオン) / 2014年11月4日 18時0分

CIMBクラシックに出場した松山英樹は、通算7アンダーの21位タイでフィニッシュ

 いよいよ開幕した米PGAツアーの2014-15年シーズンは、3試合を国内で消化後、マレーシアで、同国を拠点とするCIMB銀行がスポンサーのCIMBクラシックを開催した。

 米PGAツアーは00年代初め、プエルトリコオープンなどをツアー競技としたが、いずれも近隣国での開催であり、メジャーなどビッグイベントのいわゆる“裏トーナメント”であった。遠く離れたマレーシアでの試合をツアー競技とした背景には、米PGAツアーの長期的経営戦略が存在する。

 1970年代、セベ・バレステロスの登場で、英国中心だった欧州ツアーはヨーロッパ全土に拡張。90年代初めには南アフリカのサンシャインツアーを傘下にしたり、オイルリッチの中東地域に活動範囲を広げるようになった。

 さらに、メイバンク・マレーシアオープンなどのアジアンツアーや、00年にはブラジルオープンをツアー競技とするなど、その勢いはとどまるところを知らなかった。
 一方の米PGAツアーは、国内だけで十分に発展過程を踏んでいた。しかし、欧州ツアーが活動範囲を広げるのを、手をこまねいていることはできない、とマーケティング政策を変更するに至った。

 まずは隣国カナダだ。カナディアンツアーは70年から存在するが、気候条件が厳しいために試合数も多くは望めず、最近では15万ドルクラスの大会を年12回開催するにとどまっている。さらに、優秀な若者は米国の大学へ進学し、そのまま米ツアーに参戦していた。

 12年、米PGAツアーは欧州ツアーの方法をさらに進め、カナディアンツアーを完全に米ツアーの一組織として、賞金ランキング上位4人を米下部ツアーのウェブドットコムツアーのメンバーとする特典を設けた。

 さらに、PGAツアーチャイナ、PGAツアーラテンアメリカも直轄に。チャイナとラテンアメリカには、ウェブドットコムツアーへの特典はまだないが、レベルが向上すれば特典を設けるのは時間の問題だろう。

 CIMBクラシックは世界的なツアー再編成の動きの一環ともいえる。米PGAツアーは今後まだ発展するアジアマーケットをも、十分視野に入れているということだろう。

文・岩田禎夫
週刊パーゴルフ(2014年11月18日号)掲載


岩田禎夫(いわた・さだお)
1933年生まれ、神奈川県出身。報知新聞にてゴルフをメーンとするスポーツ担当記者として活躍後、70年にフリーのゴルフジャーナリストに転向。以降、現在まで米PGAツアーを中心に世界のゴルフを追いかけている。

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