片山晋呉「優勝争いのドキドキはたまらないね」

ParOn.(パーオン) / 2014年11月30日 20時51分

波乱万丈の一年の最後をいい勝ち方での優勝で締めくくった片山晋呉 カシオワールドオープン(2014)(最終日) 写真・村上航

カシオワールドオープン(11月27~30日、高知県・Kochi黒潮CC、7315ヤード、パー72)

 1打差4位タイでスタートした永久シード選手の片山晋呉が、横綱ゴルフを見せて逆転で通算28勝目を挙げた。

 25歳の小平智、28歳の平本穏、22歳の今平周吾と全員20代のフレッシュな最終組を尻目に1つ前の組の片山がプレッシャーかけ続けた。

 フロントナインは片山、小平、平本が12アンダーで並んで折り返す。

「普段はボードをあまり見ないんですけど、今回は見て、後ろに意識させようと」

 そう考えた片山は12番で3メートル、13番で1メートル、14番、15番ともに6メートルを沈めて、4連続バーディで抜け出す。

「フェアウエーからのショットは先週から調子がよくて、全部ピンをさしているので、自信はあった。後ろは(バーディ取るのが)見えているし、歓声も聞こえているから、たまらないだろうなと思っていました」

 5度の賞金王を戴冠する永久シード選手は、優勝争いをした数は知れず。勝利よりも負けて悔しい思いをした数のほうが多い。それだけ優勝争いでプレッシャーをかける術を知っている。

 追いかけていた平本は、

「晋呉さんのような強い人が伸ばし始めたら、追いつけない」

 と、早々に2位狙いに切り替えるほど。後続組はスイッチの入った片山に追いつけなかった。

 今年41歳を迎えた片山にとって、波乱万丈の一年だった。09年になった燃え尽き症候群から脱した昨年は、5年ぶりにツアー優勝を遂げた。「今年は賞金王になって、マスターズにいこう」と思いを秘めて開幕を迎える。しかし、6月の~全英への道~ミズノオープンが終わってから、指が痺れはじめ、翌週の日本プロゴルフ選手権の会場では腰が動かなくなって欠場。腰椎ヘルニアが発症した。7月には、自宅で動けなくなり、緊急搬送されるなど、日常生活もままならないほどの痛みに襲われ、長期の欠場を余儀なくされた。

「“今年は”と気合いを入れて臨んだのに、“えっ!”って感じでした。すべてがうまくいかなかった。休めっていうことだと思いました」

 2カ月半クラブを握らない生活が始まった。休みの間に観葉植物を育て、皇居の周りでランニングや東京都内のスポット巡りにもいき、メンタル系の本も数多く読んだ。

「メンタルの本を参考に、今日もいろんなことを試しました」

 と新たな発見もあった。

「いい勝ち方ができました。こんな感じでも、まだ俺勝てるんだなと、違う意味での自信を得られました。やっぱり優勝争いのドキドキはたまらないですね」

 腰がよくなってきたと思ったら、左足カカトに痛みが出た。踏んだり蹴ったりの1年だったが、いい勝ち方の優勝を手にした。再来年のマスターズ出場に向けて、41歳の片山はまだまだ衰え知らず。
 
文・小高拓

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