短期集中連載「素顔の宮里藍」10

ParOn.(パーオン) / 2017年11月15日 17時0分

5月26日、今シーズン限りでの引退を発表した宮里藍。その後、米女子ツアーに復帰し、いつものように「全力で」残り試合に臨んでいる。過去にパーゴルフPLUSで“今週の藍ちゃん”というコーナーを持ち、宮里藍と懇意にしているジャーナリストの武川玲子が、フィナーレまでの期間、“藍ちゃん”の知られざる素顔を公開していく。
これまでは主にスランプなど、宮里藍の苦しかったときを振り返ってきたが、これからは彼女が飾った素晴らしい勝利の数々、そしてそのときの思いを述懐したい。

2012年の米女子ツアーで9勝を挙げた宮里。シーズンでいうと年間5勝を挙げた2010年が、彼女のキャリアで最高の1年になった。もう少し長いスパンでいえば、2009年7月にエビアン・マスターズでツアー初優勝を飾ってから、2012年6月にアーカーソン選手権で9勝目を挙げた3年間が彼女の黄金期だ。

とりわけ初優勝を飾った2009年は見事だった。エビアン以降の残りのシーズンは、出れば優勝争いという快進撃。翌週の全英リコー女子オープンで3位、米国に戻ってセーフウェイ・クラシック(オレゴン州)4位、カナダ女子オープン2位、アーカンソー選手権10位、サムスン世界選手権2位という具合に、ほとんどトップテンを外すことがなかった。

その2009年で忘れがたいシーンがある。

ランキング上位の20名だけが出場できるサムスン世界選手権は、カリフォルニア州サンディエゴのトーリーパインズGCサウスコースで開催された。例年、男子のファーマーズ・インシュランス・オープンが行われ、2008年の全米オープンではタイガー・ウッズ(米国)が最後のメジャー勝利(今のところ)を挙げた名門だ。

ここまで6試合連続でトップテン入りをしていた宮里は、相変わらず絶好調だった。

首位を行くチェ・ナヨン(韓国)と3打差の3位で迎えた最終日、18番パー5をチェと通算15アンダーで並んで迎えた。

宮里の第2打はピンまで203ヤード。グリーン左前には池が待ち構えているが、ここで迷うことなく5番ウッドを手にして2オンを狙った。一度は池を越えたが跳ね返って水に沈み結果はボギーとし、18番でバーディーを奪ったチェがツアー初優勝。結果だけ見れば残念だったものの、忘れられないのは敗者の堂々たる言葉だった。

「すごく良いプレーだった。18番は自分の状況を分かっていてチャレンジした。緊張はしていたけれど、十分に自分をコントロールできた。自分のやるべきことをやって負けた。ナヨンがそれ以上に良いプレーをしたということ」

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