ネット右翼「在特会」 会員1万人超は日本の右翼団体中で最大

NEWSポストセブン / 2012年4月30日 16時0分

「在日韓国人は出て行け」「中国人を殺せ」。ネットで過激な右翼的言論を書き込む「ネット右翼」と呼ばれる人たちがいる。その中で実際にデモをしたり、集会を開く「行動するネット右翼」が現れ始めた。最大の団体は、「在日特権を許さない市民の会」(通称・在特会)だ。このほど一年に渡り彼らを取材し、『ネットと愛国~在特会の闇を追いかけて』(講談社刊)を上梓したジャーナリストの安田浩一氏に「ネット右翼のリアル」を聞いた。(取材・文=ノンフィクション・ライター神田憲行)

 * * *
――そもそも、なぜ「ネット右翼」を取材しようと考えたんですか。

安田:もともとは日本に住む外国人労働者問題を取材していたんです。そのときに彼らが住んでいる地域住民の「冷たい視線」みたいなものを感じていました。そんな中で、中国人研修生が警官に射殺されるという事件が起きて、遺族が国を相手取って、2007年に裁判を起こしました。

 その裁判所に在特会を含むネット右翼と呼ばれる人たちが日章旗を立てて押しかけてきて、「オーバーステイしたのに日本に損害賠償するとは何事だ」「中国人は射殺されても仕方ない」という抗議活動を展開したのを目撃したのが始まりです。
 
 私が衝撃を受けたのは、その言葉の激しさとともに、彼らの「普通さ」でした。

――「普通さ」?

安田:ええ、私が今まで取材したことがある既存の右翼団体とはまるで違っていました。既存の団体はいわゆる黒塗りの街宣車に乗り、コワモテの戦闘服を着ていたりするんですが、ネット右翼は普通の若者だったり、おばちゃん、おっちゃんだったんです。そんな町でいくらでもいるような普通の人々が、刺々しい言葉を吐く。

 それで彼らの姿をもっと知りたくて、デモや集会に「見物」しにいくようになったんです。毎週どころか、週に2回とかもあったので、もう何十回見に行ったのか数えきれませんね。私は彼らの主張に1ミリも同意しませんし、シンパでもない。でも彼らを「右傾化する現代若者」というわかりやすい論理に回収して無視することは無いと思った。

――「行動するネット右翼」と既存のリアル右翼と、どう違うのでしょうか。

安田:既存の右翼団体には、基調に「美しい日本」の姿みたいなのがあって、そうなるための原理を導き出して、行動します。是非はともかく、そういう「美学」みたいなのがある。でもネット右翼にそういう基調はなくて、あるのは現状への不満、不安であり、それは在日外国人や、メディア、左翼、被差別団体よってもたらされているという「被害者意識」なんです。

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