福岡の“女帝” 王貞治やさだまさし、樹木希林らから慕われる

NEWSポストセブン / 2012年5月15日 16時0分

 福岡・中洲一の高級クラブ『ロイヤルボックス』のオーナーママ、藤堂和子さん(66才)。“中洲の女帝”とも称される彼女のもとには、政財界、芸能界をはじめ、内外の名だたるVIPが連日のように訪れる。藤堂さんはいかにいまの地位を築いてきたのか。

 和子さんの水商売における礎は伝説のギャング、アル・カポネ時代のアメリカでバーを開店させた祖母・マツさんの時代にまでさかのぼる。和子さんにとって、祖母が人生のお手本なら、日本で店を開いた母のアヤさんはライバルだという。

「祖母と私は“出っ張り虫(でしゃばり)”ですが、母は基本的に控えめ。なにもかもが正反対なんです」(和子さん)

 母・アヤさんは日本で美容師として働いていたが、やがて酒場に勤め始める。控えめな性格にもかかわらず、エキゾチックな美貌で、たちまち売れっ子となり、自分の店を持った。

「高校受験のころ遅くまで勉強していると、酔った母が鮨折りを持って帰ってくるんだけど、酔っぱらって振り回すから、お鮨が隅に寄ってしまうんです。そのたびに、“ああ、きれいに詰まったお鮨が食べたか”と思ったものです(笑い)」(和子さん)

 和子さんがお土産として出しているのが赤飯であるもうひとつの理由は、揺すっても隅に寄らないから、と笑いながら明かす。

 母のようにはなるまい、と思っていた和子さんは平凡なOLの道を選ぶ。しかし皮肉にも、叔父が趣味で始めたスタンドバー『リンドバーグ』を、義姉のお産のために手伝うことに。

「初めは店に出るのがいやでいやで。嫌いな相手だったら話すらしませんでした(笑い)。ところがあるとき、ホステスの先輩から“お客様に好かれて初めて、私らはごはんが食べられるとよ”と叱られて、私の負けず嫌いに火がついたんです。“よし、本気でしゃべって接客してやろうたい”って」(和子さん)

 19才という若さと、媚びも物怖じもしない率直な性格。和子さんはたちまちお客の心をつかみ、この仕事は「天職」だと自覚していった。

 接客の技術を磨くために、ゲイバーへも通った。

「女よりも女らしい“彼女”たちに教わることは多かったですね。“彼女”たちは階段を上がるとき、爪先だけでとんとんと上がるんですが、女っぽいうえにヒップアップ効果があって、すぐにマネしましたね(笑い)」(和子さん)

 いいな、と思ったことはすぐに取り入れ、がむしゃらに努力を続けた結果、和子さんの常連客はますます増えていった。

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