福島原発事故調査委員会で菅・枝野氏が醜い責任のなすり合い

NEWSポストセブン / 2012年6月5日 16時0分

 福島第一原発事故はまだ終わっていない。あの事故発生時、政権中枢はこの危機にどう対処し、失敗したか。その検証は国家にとって欠かせない作業だが、国民の生命を危険に晒した菅直人・前首相や枝野幸男・前官房長官(現・経産相)ら当時の官邸幹部は、国会の事故調査委員会では、この期に及んでも嘘と自己弁護、責任転嫁に終始する醜態を見せつけたのである。

 まず問題なのは「メルトダウン(炉心溶融)隠し」だ。

 本誌は事故直後、原子力安全・保安院の中村幸一郎・審議官が会見(3月12日)で「炉心の中の燃料が溶けていると見てよい」とメルトダウンに言及したことが官邸の怒りを買い、会見担当を“更迭”されたとスクープした。枝野氏は事故調でこう言い張った。

「国民にわかる言葉を使え、会見で発表するときには官邸に報告を入れろといっただけで、こういう言葉を使うなとか、誰を代えろとか申し上げたことはありません」

 ものは言いようである。官僚側にしてみれば、「国民にわかる言葉」とは、“メルトダウンを使うな”、「官邸への報告」とは、“官邸の許可なく発表するな”という指示と受け止めるのは当然だろう。

 しかも、枝野氏は自身を正当化するため、こんなことまで言い出した。

「私は炉心損傷の可能性は高いと早い段階で申し上げている。否定もしていない」

 ウソである証拠を示そう。事故2日後の3月13日の会見で、枝野氏はどう説明していたか。「メルトダウンが起きているのか」という記者の質問をこうたしなめたのだ。

「言葉の使い方を丁寧にやらないと。炉心の一部が、若干、炉の中で変形をする可能性は否定できない。しかしながら、(炉心)全体がメルトダウンに至るような長時間にわたって水没していない状況が続いていたという状況ではない」

 明らかな「否定」だ。

 実は、そのころ枝野氏はメルトダウンの可能性を知っていた。官邸の危機管理センターには、事故当日(3月11日)のうちに

〈24:50 燃料溶融〉

 とメルトダウンをはっきり示すERSS(※)による事故進展予測が文書で伝えられていたからだ(本誌2011年6月10日号既報)。菅前首相は事故調でその文書を「見せられた覚えがある」と認めた上で、なぜ国民に説明しなかったかについてこう証言している。

「国民への発信は官房長官にお願いしていました。その当時の考え方は、事実を隠さない。しかし、事実としてわからないことをどこまでどう表現するかは、官房長官として判断してやっておられた」

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