日本がネット重視になれば「SNSいじめ」米国並みになる恐れ

NEWSポストセブン / 2012年6月26日 16時0分

 SNSで交わされる会話は「いいね!」だけではない。SNS先進国・米国では、10代を中心にSNSを介した「いじめ」が社会問題化している。米国のティーンエイジャー(13~17歳)の69%がSNSを利用し、そのうち88%がサイト上でひどいことを言ったり、あからさまな無視などのいじめを見たことがあると答えている。

 そして15%が自分がいじめや暴言の標的にされたことがあると答えた。そして、その手法は、海を越えて日本に上陸。在米ジャーナリストの武末幸繁氏が解説する。

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 米国で「SNSいじめ」が深刻化する一方、利用者が急増している日本はどうか。日本で「ネットいじめ」が社会問題化してきたのは、2007年前後のことである。ある特定の学校の話題のみを扱う非公式コミュニティサイトである「学校裏サイト」や匿名掲示板のスレッドでいじめ対象者の誹謗中傷を行なう手口が一般的だった。

 2007年7月には、兵庫県の私立高校の男子生徒が自殺するという事件が発生している。この男子生徒は特定の人物からメールでの金銭要求が行なわれ、「学校裏サイト」で自殺した男子生徒がいじめられている動画を公開したり、裸の写真を掲載していたことが発覚、大きな話題となった。

 ルポライターで『学校裏サイト 進化するネットいじめ』(晋遊舎刊)の著者、渋井哲也氏によれば、ティーンエイジャーの携帯所有率と比例してネットいじめはさらに増えているという。

 2009年の文部科学省の調査によれば、小学生の24.7%が携帯を所有。中学生では45.9%、高校生では95.9%の所有率となる。「学校裏サイト」も携帯電話からアクセスし、モバゲー、ミクシィなどのSNSのアクセスも携帯電話だ。

 ネットいじめには2つのパターンがあるというのは前出の渋井氏。

「リアル社会でいじめられていて、それがSNSでもいじめの対象になるもの。もうひとつはリアル社会ではいじめられていないのに、SNSの塾や学校のサイトで何らかのはずみでいじめの対象になり、それが助長されて現実社会の中でもいじめの対象になるというパターンがあります。

 リアルコミュニティの学校でいじめられても、学校を離れ家に帰ればいじめは途切れた。しかし、ネット社会では家に帰ると今度はSNSを通して24時間いじめられ、逃げ場がない状況に追い込まれる」

 SNSの学校・塾の掲示板で援助交際しているという嘘の書き込みをされたある女子中学生は、自殺には至らなかったがリストカットをするようになってしまった。高校進学後もリストカットは続き、ついには高校を中退。社会復帰できない精神状態になっているという。

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