会社員の勤務後の酒屋バイト 注意すべき点を弁護士が解説

NEWSポストセブン / 2012年6月26日 16時0分

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「兼業のアルバイトを続けるには何に注意すればよいでしょう」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 夕方、勤務先の仕事を終えてから、親戚の酒屋で店番を兼ねてアルバイトをしています。店の主人の健康状態がよくないので、頼まれてやっているわけです。このような夕方から夜にかけてのアルバイトなので昼間の仕事には差し支えないのですが、会社員としての注意事項を教えてください。

【回答】
 まず、勤務先の就業規則を見てください。無断の副業や兼業(二重就職)を禁止する規定があると思います。規制がなければ、勤務時間外は自由な時間ですから問題ありません。勤務時間外は労働者が自由に使え、会社がその使い方に介入できないのが原則です。但し、疲れて翌日の業務に支障を来すと成績が悪くなり、評価が下がることも考えられ、一考を要します。

 また就業規則は、事業の円滑遂行のために必要な規律と秩序を根拠付けるものです。兼職が使用者の及ばない私生活上の行為である以上、兼職許可制に形式的に違反しても、職場秩序に影響せず、会社での労務提供に格別の支障がない程度や態様であれば、兼職禁止の就業規則に実質的には違反しないと解されます。

 とはいえ、労働者がその自由な時間を精神的肉体的疲労回復のための適度な休養に用いることが、翌日に誠実な労働を提供する義務を履行する前提になりますし、職場の安全衛生に関する事故防止のために必要なことです。長時間のアルバイトで疲労が蓄積すると、本業の職務に専念する義務が果たせなくなります。

 月給が安くて、副業しなければ生活できないとか、家の中でする内職程度というのであれば別として、就業時間外のアルバイトが労務の提供に支障を来すようなものは問題になります。

 あなたの場合、親戚の病気のピンチヒッターのようなアルバイトで、長期ではありません。翌日の仕事に差し障りがない程度の無理のない時間にして、正式に許可をもらうことをお勧めします。

 厳しい雇用情勢の下では、使用者側に解雇の口実を与えないことが大切です。もし、黙って働いているのがばれたら、解雇される可能性も否定できません。この点をまずは注意してください。

※週刊ポスト2012年7月6日号



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