ピル服用 卵巣がんリスク1/3に減り子宮体がんも減ると医師

NEWSポストセブン / 2012年7月3日 16時0分

 生理痛、更年期症状が軽くなるなどの効能があるピルだが、にきびなどの肌のトラブルが改善され、さらに美肌の効果も期待できるという。

 西国分寺レディースクリニック院長で『女性のためのピルの本』(幻冬舎)の著者・佐藤力さんは説明する。

「にきびは、男性ホルモンの働きによって皮脂腺が発達し、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まって出口がふさがってしまい、アクネ菌という菌が繁殖して炎症を起こすためにできるもの。女性のにきびはホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが優位になったときにできやすいといわれているので、ピルをのんでホルモンバランスが整うことでニキビができにくくなるんです。ピルに含まれるエストロゲンには皮脂腺が詰まるのを阻止する、直接的な作用もあります」

 また、エストロゲンにはコラーゲンを増やす働きもあるため、肌をみずみずしくし、潤いを保つうえでも有効なのだという。

 45才の主婦は次のように話す。

「生理痛を緩和したくてピルをのみ始めたのですが、長い間、悩まされていた乾燥肌まで治ってしまいました。婦人科の先生に“ピルの効用です”といわれ、びっくりしました」

 一方で、副作用がまったくないわけではない。吐き気や頭痛、乳房の張り、出血を伴ったり、なかにはだるさやむくみを感じる人もいる。しかし、佐藤さんはこういう。

「これらの副作用のほとんどは一般にマイナートラブルと呼ばれるもので、多くの場合、ピルをのみ始めて3か月以内におさまります。これらの副作用以上に副効用のほうがはるかに大きいといえます」

 それ以外に、血液が固まりやすくなって血管がつまる血栓症や心筋梗塞、脳卒中などを発症するリスクが少し高くなることが指摘されているため、35才以上で1日15本以上タバコを吸う人はNGとされている。

「がんになる」と誤解する人も多いが、実は逆だというのは、日本産科婦人科学会前理事長で慶応大学大学院医学研究科産婦人科学教授の吉村泰典さんだ。

「ピルを服用することで卵巣がんのリスクは3分の1ほどに減り、子宮体がんも減る。乳がんは若干増えるので、検診を受ける必要があります。全体的に見れば、ピルをのむことでがんのリスクは下がるといえます」

 卵巣がんは繰り返し起こる排卵によって卵巣の壁が傷つくことが原因のひとつといわれているが、ピルはこの卵巣への負担を減らすため、がんの予防になると考えられている。子宮体がんは子宮内膜の細胞にできるが、ピルをのむと子宮内膜が厚くならないため、予防につながるのだ。

 多くの女性が心配するような副作用は、実際にはないに等しいといえそうだ。

※女性セブン2012年7月12日号



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