今年は高倉健イヤー 「絆求める時代に求められる役者」との評

NEWSポストセブン / 2012年7月22日 7時0分

 いま高倉健がじわじわキテるのをご存じだろうか。映画、CMに立て続けに出演。ブルーレイボックスの発売も決まった。81才を迎えた超ベテラン俳優がいま注目を集める理由とは?

「健さんが表舞台に登場するのは、オリンピックのようなもので何年かに1回なんです。そのたびに映画界を中心にテレビやCM業界でも、健さん人気が高まります。ひさしぶりに主演作が公開される今年は、まさに健さんイヤーといえますね」
 
 こう話すのは、映画評論家の松原正美氏だ。作品をじっくり選ぶといわれる健さんは、近年、出演作は多くはない。8月25日に公開される主演映画『あなたへ』は実に6年ぶり。その前の主演作『単騎、千里を走る。』(2005年)は当時4年ぶり、前々作『ホタル』(2001年)は当時2年ぶりの出演だった。それだけに出演作が公開されると、プレミアム感が増し、健さんブームに沸くようだ。

『あなたへ』は、降旗康男監督との20作目。健さん扮する富山刑務所の指導技官が、亡き妻の生前の真意を知るため、妻の故郷である長崎へキャンピングカーで旅をするというストーリー。テーマは夫婦の絆だ。

 こうした内容も健さんブームを後押しすると前出・松原氏は指摘する。

「健さんは、どこにでもいる普通の人に“命”を吹き込み、抜群の存在感を与えることができる役者です。この作品では、亡き妻を失った悲しみを抱えて生きる男性を好演しています。口数は多くなくても背中で語る演技はさすが。震災後、喪失感や悲しみを乗り越えることができない人にとっても、その演技は心に響くと思います。

 健さんには演技というより、そこにいるだけでその人物の人生がにじみ出てくるような不思議な魅力がある。この作品でも旅の途中でさまざまな人が、吸いよせられるように健さんの前に現れ、つい自分の悩みなどを口にしてしまうのですが、健さん自身にもそんな魅力がある。絆を求めるいまの時代にこそ求められる役者といえますね」

 健さんブームは映画以外の業界にも波及している。放送中の永谷園「お茶づけ海苔」のCMは、8年ぶりのCMということで話題になっているほか、東宝では、健さんの主演作を集めたBlu-ray BOX『高倉 健 Blu-ray COLLECTION BOX(5枚組)』を8月下旬に発売する。同社では、若者にも訴求できるとみている。

「昔の作品を、ブルーレイのきれいな画像で観たいという要望があったため今回ボックスでの発売となりました。高倉健さんは、演技はもちろん、人間としての魅力もあるので、若い人にもファンが多いとみています。映画公開のタイミングでもあるので、もっとファンを増やしていきたいですね」(東宝映像事業部部長・大田圭二さん)



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