脱原発つぶやく毎日記者 御用ジャーナリストとの批判に反論

NEWSポストセブン / 2012年7月27日 16時0分

「原発事故について、正しい情報を身につけて欲しい」。毎日新聞元科学環境部部長の斗ヶ沢秀俊さんのツイートが話題である。科学的に不確かな記事であれば自分の会社の記事にでも辛辣に斬り込み、データを地道に伝え続ける科学記者としての姿勢に共感を持つ人も多い。斗ヶ沢さんに「正しい原発事故ニュースの見分け方」を聞いた。(聞き手=ノンフィクション・ライター神田憲行)

 * * *
――原発事故による放射線関連のニュースについて、斗ヶ沢さんが解説するツイートがネットで話題になっています。ツイッターはいつごろから利用されているんですか。

斗ヶ沢 アカウントは以前から持っていましたが、「何々なう」なんて興味ないからずっと見なかったんです(笑)。原発事故から一週間後の3月18日に「記者の目」(新聞記者個人の視線で書く毎日新聞の名物コーナー)で「事態を冷静に見よう」と書いたあと、もっと記事が書きたいと思いました。そんなときに後輩記者からから「ツイッターでやればいいじゃないですか」と勧められて、「140字でやっていくか……」と書き始めました。

 いまはツイッターで質問が寄せられたら、実名でプロフィールがしっかり書いてある人には複数回、匿名の方には1回と自分のルールを決めて、回答するようにしています。

――ツイートでは所属される毎日新聞だけに止まらず、他紙の記事についても「これが一面トップか」などと辛らつに批評されることがあります。社内の他の人から何か言われませんか。

斗ヶ沢 なにも言われたことはありません。毎日新聞の自由度の高さに感謝しています。

――一方で、原発事故による被曝量は健康影響の出ないレベルだと語る斗ヶ沢さんを「御用ジャーナリスト」と中傷する人もいます。どう受け止めていますか。

斗ヶ沢 びっくりしました。私は1988年に科学環境部の記者になってから、途中の福島支局長、海外特派員時代を除いて20年近く科学関係の記者をしてきました。チェルノブイリ事故6年後に現地を取材し、高木仁三郎さんの著書に感銘を受けた私は、原発が大事故の起こりうるシステムであり、ウランがいずれは枯渇するという資源的制約から考えても、再生可能エネルギーに移行するまでの過渡的なエネルギー源であると判断しています。だから、1本も原発推進の記事を書いたことがないし、ずっと「脱原発」の姿勢で記事を書き続けてきました。「御用ジャーナリスト」と呼ばれるいわれは全くないのですが、まあ、福島県立医大副学長の山下俊一先生らも「御用学者」と呼ばれているので、その列に並ばさせていただけるなら名誉ですよ(笑)。原発事故での報道を見て、放射線、放射性物質への理解が、記者にも一般の方にも不足していると感じます。

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