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ニトリが不況を経るにつれ成長した理由、似鳥昭雄会長に聞く

NEWSポストセブン / 2019年5月12日 7時0分

 そうやって4割近くあったクレーム由来の返品を、まず3年で半分にし、5年で1割以下にした。10年で標準並みといわれる3%にまで返品率を下げることができた。

 いま、当社の開発輸入品の比率は90%以上です。誰もが気軽に買える商品価格と高い品質・機能を両立させるには、従来のSPA、いわゆる製造小売業と呼ばれる事業モデルだけではダメで、そこに物流機能をプラスした。商品の企画や原材料の調達から、製造・物流・販売に至るまでの一連のプロセスを、グループ全体でプロデュースしていく「製造物流小売業」を確立したのです。

◆「不況こそ大チャンス」

──バブル崩壊、金融ビッグバン、リーマン・ショック後の大不況もあった中でも成長し続けた理由は?

似鳥:好況と不況は繰り返します。バブル時は従来比で土地も建物の価格も2倍に上がる。しかし、不況になれば半値になって元に戻る。この法則がわかったので、景気のいい時は投資は半分に控え、逆に不景気になったら投資を2倍にして土地も建物も積極的に取得していく。この繰り返しで、世間とは逆を行くのがセオリーだと考えています。

 1993年に土地バブルが完全にはじけたわけですが、その後、土地も建物も3割から5割も値が下がり、そのタイミングで本州に進出した。それが1993年です。

 2008年9月のリーマン・ショック、これは予見していましたし、その備えもしていた。2008年の年明け早々に手持ちの外国債券を全部売却し、5月には取り扱い商品の1000品目で値下げ宣言をした結果、想定を大きく超える規模で売れました。そしてリーマン・ショック以降、3か月おきに波状値下げを実施し、これまたよく売れたんです。

 先を読む秘訣は、次に景気が悪くなるのはいつかを常に調査し続けることに尽きます。景気が悪くなったほうが、当社にとってはチャンスが多い。投資がしやすくなり、優秀な人財も採用できるからです。逆に景気が良い時は好材料が生まれない。

 もちろん、好況であれば多少、業績数字は上がりますが、そういう時は同業他社もみんな上がる。不況下では、さすがにウチも前年比伸び率は鈍化しますが、競争相手は大きく水面下に沈み、場合によっては倒産してしまうこともある。要するに、不況を経るたびに当社は市場占有率がアップしていったのです。

──そうした景気の先を読む力は、どうやって養ったのでしょう?

似鳥:米国経済を定点観測することです。世界経済を牽引しているのは米国だし、時代の最先端をいくので変化のスピードも速い。ですから、40代の頃から毎年5月と10月の年2回、必ず米国の市場動向を視察に行きます。年間約1200人の社員を引き連れて、米国で研修も行なっています。

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