勝谷誠彦氏「私たちも眦を決してスタートラインに立とう」

NEWSポストセブン / 2012年8月13日 7時0分

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。本サイトでは8月10日に配信された27号より「勝谷誠彦の今週のオピニオン」の一部を公開する。

《煮え切らない政局。永田町では政治家たちによって醜い“茶番”が繰り広げられている。他方で、海を越え、ロンドンでは日本人選手たちが喝采を浴びている。今、私たちの心を掴んでいるのは間違いなく後者だろう》
 勝谷氏は、今まさに美しく躍動している日本人アスリートたちが示した「この国の本質」について語る──。

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 女性選手たちの「しのぐタフさ」にも目を奪われた。サッカーのフランス戦で、雨あられと降りそそぐゴールを防ぎきるタフさ。中国を相手のバレーボールを5セット戦ってたったの2点差で逆転勝ちするタフさ。そこに私は技術を超えた何かを見た。

 またスポーツには素人のモノ書きの勝手なことを呟こう。これは女性が「真の危機」に迫られた時に起動する何かしらの本能ではないのか。東日本大震災や福島原発の事故のあと、私は子どもたちを連れて移住していく女性のそれこそタフさに驚かされていた。母性を持つ女性にはそうした「スイッチ」が入ることがあるのかと感じた。もちろん直接被災地とかかわりのないアスリートたちもいる。しかし今回の国難は、この国の女性たち全体に、本人も気づかないままに何かの影響を与えたのではないかとすら、私は想像をたくましくしたのだ。これまでの「根性」や「精神力」などでは説明しきれない何かが、日本の若者たち、特に女性たちの中に起きているように思われてならない。

 そのことに何人かの指導者は気づいていた。そして見事に引き出していた。私はそれを「監督力」と名付けた。女子サッカーの佐々木則夫監督の「監督力」はもはやよく知られているが、今大会では際立って見えた。時折映し出されるその表情は、記者会見でのあのジョークを交える穏やかなものではなく、まさに鬼の形相だった。彼のこの本質をこれまで知らなかった自分を恥じた。

 卓球の女子の団体戦では、村上恭和監督が「奇襲」を敢行した。平野早矢香選手と石川佳純選手のペアを繰り出したのだが、相手は全く対策を立てていなかった。実はここまで、練習は積みながらもいちども国内外の大会にこのペアでは出してこなかったのだ。まさに五輪という最高の舞台に使うための秘策であった。

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