高脂血症薬 EPA製剤より効果的として医師が処方するのは?

NEWSポストセブン / 2019年6月1日 7時0分

高脂血症の薬について医師が解説

 様々なメディアで薬が持つ「リスク」を強調した「飲んではいけない薬」の特集が組まれているが、患者一人ひとりの容態や状況を考慮せずに“薬をやめる”という結論は決して現実的ではない。

 では、薬と「上手く付き合っていく」にはどうすればいいのか。まず考えなければならないのが「いま処方されている薬でいいのか」という点だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が指摘する。

「薬の効き目には個人差があり、症状や生活習慣、年齢などによって変わってくる。『広く飲まれている薬だから』とかかりつけ医が処方したものが、その人にとってベストとは限らない。毎日、何十年と飲み続ける以上、効果や安全性、価格まで考慮して総合的に判断すべきです。そして、場合によっては薬を替えてみるという決断が、最善の選択であることもあります」

 例えば、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪の数値が高くなる高脂血症(脂質異常症)は、動脈硬化を促進して心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを増す。

「一般的に処方されるのは、『エパデール』などに代表されるEPA製剤です」

 そう指摘するのは、秋津医院院長の秋津壽男医師(総合内科)だ。

「青魚にも含まれるEPA(不飽和脂肪酸)から作られた薬で、中性脂肪を下げ、副作用のリスクが少ない。高齢者にも多く処方されています」(秋津医師)

 ただし秋津医師が「より効果的な薬」として処方するのは「クレストール」だ。

「肝臓でコレステロールの生成を抑える『スタチン』というタイプの薬で、『EPA製剤』と比べてコレステロール値や中性脂肪を下げる効果が格段に高い。

 副作用として、骨格筋の細胞が壊死する『横紋筋融解症』が指摘されますが、発症率は0.1%未満と低い。副作用リスクを気にしすぎるより、動脈硬化の進行を抑えて心筋梗塞や脳梗塞の発症を防ぐほうが有益だと考えています。これらのリスクが高い60歳以上に処方する機会が多いです」

※週刊ポスト2019年6月7日号

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