世界遺産登録へ 「百舌鳥・古市古墳群」の謎を歴史作家解説

NEWSポストセブン / 2019年5月28日 7時0分

 どの古墳に誰が眠るかの特定がなされたのは明治になってからのことで、それは日本初の歴史書である『日本書紀』の記述と、江戸時代の実地調査をもとに行なわれた。埋葬地として記された地域でもっとも相応しいと判断されたものが選ばれたわけで、科学的な根拠と言えるものはないに等しい。

 それだけに、戦後になって古墳周辺の発掘調査が許されるとともに、時代的に合わないものが多々明らかとなった。そのため考古学と歴史学の世界では天皇陵という呼び方をやめ、地名に由来する呼び方をするようになったのである。

 宮内庁としては過去の指定を間違いと認めるわけにはいかず、そうかと言って考古学的な裏付けを無視するわけにもいかない。天皇陵である可能性のある古墳46基を「陵墓参考地」として宮内庁の管轄下に入れ、立ち入り禁止にするという策を講じている。現在までのところ、天皇、皇后、皇族方が眠る陵墓と「参考地」の合計は約900基を数えている。

【プロフィール】しまざき・すすむ/1963年、東京生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て現在は作家として活動している。著書に『ざんねんな日本史』(小学館新書)、『春秋戦国の英傑たち』(双葉社)、『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』(日本文芸社)、『いっきにわかる! 世界史のミカタ』(辰巳出版)、『いっきに読める史記』(PHPエディターズ・グループ)など多数。

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