定年後の銀行口座はメガか地銀かネット銀か 使い分け術

NEWSポストセブン / 2019年6月15日 7時0分

メガか地銀か

 超低金利時代が続く中で、見落としがちなのが、老後資産を預ける「銀行口座」をどうするかという問題だ。

 定年後に受け取る年金の口座選びは大きな分かれ目となる。年金を「貯蓄に回す」か、「生活資金に充てる」かによって変えるのが理想的だ。ある銀行OBが言う。

「私の場合、現役時代の蓄えもあり、年金を貯蓄に回す余裕があったので、『年金定期預金』に預けています。年金受取口座に指定した金融機関で金利の優遇が受けられる定期預金で、金利は一般の定期預金より30~50倍ほど高い(0.3~0.5%)。金融機関によって条件は異なりますが、100万~500万円程度の上限が定められています」

 一方、年金を生活資金に充てる人についてはこうアドバイスする。

「地方銀行・信用金庫の口座を考えても良いでしょう。現役時代は、出先からでも預金を引き出しやすいメガバンクの口座が便利ですが、退職すると行動範囲が狭くなり、自宅周辺の地銀・信金の口座でも不都合は生じにくい。手数料を無料に設定していたり、特産品や割引券などの手厚いサービスが用意されている金融機関も多いので、その恩恵に与ることができます」(同前)

 ただし、口座切り替えのタイミングは一度だけとは限らない。後期高齢者となる75歳をすぎると、口座選びにも「健康不安」への備えが必要になってくる。

「この年齢になると、いつ急な手術や入院をしないといけなくなるか分かりませんし、介護が必要になって自宅から離れた施設に入居することにもなりかねない。

 そうした事態を見越して、家の近くにしかない信金や地銀よりも、全国に支店やATMがあるメガバンクの口座の方が、病院や施設でお金が必要になったときに安心。それまでにはメガバンク口座に戻そうと考えています」(別の銀行OB)

 そうした“長すぎる老後”を考えると、退職後から後期高齢者になるまでに、年金の一部を運用に回して資産を増やしておきたい人もいるかもしれない。第一勧業銀行(現みずほ銀行)の元銀行マンで、法政大学大学院教授の真壁昭夫氏(65)はこう語る。

「ネット証券と連携するネット銀行の口座を持てば、ネット銀行の優遇金利が得られるうえに、開設したネット証券の証券口座との資金のやりとりなどで利便性も高まるので、使わない手はないと思います。

 他にも『大和ネクスト銀行』などの証券会社系の銀行ではボーナス時期に優遇金利を打ち出すキャンペーンを展開しているところもあります。この金利優遇は、証券口座を開設するなど条件はありますが、ボーナスを受け取っていなくても受けられる。“自分はリタイアしているし、ボーナスなんて関係ない”とは考えず、こまめにチェックして活用すべきでしょう」

 若い頃から使っている銀行口座に定年後も漫然と預けているだけでは、大きな差が生じかねない。少しでもゆとりある老後の生活を送るためには、数多ある銀行口座の中から、自分の年齢やライフプランに合わせて最適な口座を選びたい。

※週刊ポスト2019年6月21日号

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