球場で記者の財布の盗難被害が続出 逮捕者出るも心配は続く

NEWSポストセブン / 2019年6月26日 7時0分

試合後、無人となった記者席で事件は起きていた(写真はイメージ。時事通信フォト)

 ヒーローインタビューのお立ち台に上がった選手の姿をカメラに収め、監督や選手の囲み取材でコメントを取る──プロ野球を取材する報道陣の主な仕事は、当然ながら「試合後」に集中し、その間バックネット裏などにある記者席は無人となる。取材現場からは離れている、そうした記者席が“事件現場”となっていることは、報じられていない。

 スポーツ紙のプロ野球担当記者がこう話す。

「実は、今季の開幕から複数の球場で、試合後に報道関係者がバッグに入れていた財布から現金を抜き取られるという騒ぎが起きていたんです。一般紙・スポーツ紙の記者やテレビの取材クルーはバックネット裏などにある記者席に荷物を置いて取材に出ます。試合前や試合後は監督、コーチ、選手たちのコメントを取るためにみんな席を離れますから、その時間帯は人がいなくなる。

 そういう意味では不用心な環境ですが、記者席に行くためには取材パスが必要ですし、通路には警備員も巡回していて防犯カメラもある。ところがそこで盗難騒ぎが起きた。試合に来る報道陣は30~40人くらいで、ほとんどが顔見知りですが、そのなかに“コソ泥”がいるんじゃないかと、みんな疑心暗鬼になっていた」

 頻発していたのが神宮球場だったという。財布をポケットに入れて取材に行けばいいように思えるが、取材時にスマートフォンやパソコン、ICレコーダー、スコアブックなどを携帯するため、「かさばる財布は、ついバッグに入れたまま置きっ放しにしてしまう」(ヤクルト番記者)が多いという。

「5月に入ってからも何度も盗難騒ぎが起きて、警察に被害届を出す事態になったのです。折しも、ヤクルトがドロ沼の連敗街道に突入。連敗が重なると選手や監督もなかなかしゃべりたがらず、重苦しい雰囲気が続いてしまうのでどうしても取材時間は長くなって、“盗まれやすい環境”が放置されてしまっていた。

 何度かコソ泥騒ぎが繰り返されるうち、“あいつが取材中に記者席に戻っていた”なんて陰口をたたく人間も出てきて、かなりギクシャクした空気になっていた。そのため各社ともに上から“窃盗被害が続いているので、貴重品管理には気をつけるように”といった通達が行なわれる程度の対応しかできずにいた」(同前)

 この騒動は5月下旬、犯人が特定された。

「被害届を受けた警察が記者席で、“おとり捜査”をしていたところ、財布から現金を盗もうとしていたテレビ朝日の報道クルーのアルバイトが現行犯逮捕されたんです」(同前)

 テレビ朝日は「スポーツ中継の関連会社アルバイトが逮捕されたのは事実です」と回答。ただ、記者達の心配は消えていないようだ。

「神宮球場では盗難が頻発して、被害届を出す事態になりましたが、他の球場でも似たようなことがその後も起きている。記者席に置いたカバンに財布を入れっぱなしする習慣があるのはどこの番記者も同じ」(同前)

 球場で盗むのはベースだけにしてほしい。

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