被害続出の「CA盗撮」 容疑者自白でも処分保留になる事情

NEWSポストセブン / 2019年8月28日 16時0分

機内盗撮の手口は年々、巧妙化(写真はイメージ)

 ジャンプシートから上半身をひねって指示を出す女性のスカートの中。3列シートの奥にコーヒーを手渡すキャビンアテンダント(以下、CA)の胸を下から舐めるように映した動画──。ネット上の盗撮動画販売サイトには〈客室乗務員〉と冠された映像が大量に出回っている。

 8月5日、航空業界の労組・航空連合が〈機内における「盗撮・無断撮影行為」の実態〉についてのアンケート結果を公表した。現役客室乗務員1623人のうち約6割が、盗撮・無断撮影行為にあったことが「ある/あると思う」と回答したのである。

「機内サービスの最中に、おかしな動きをしている人は少なくありませんが、もっとあからさまなこともありました」

 そう語るのは、国内航空会社の現役CAだ。3か月ほど前、彼女が機内キッチンにいると、2人組の男性がやってきて『コーラがほしい』と言ったという。

「横に立つ男性と話しながら準備をしていると、『ドン』と音がしたんです。びっくりして振り返ると、真後ろにもう1人がいて、私の両足の間に落ちたスマホを慌てて拾っていました。たぶん、スカートの中を撮っていたのだと……」

 盗撮マニアの間で航空機内が「穴場」だとされるのには理由がある。ファウスト法律事務所の福岡隆行弁護士によれば「盗撮行為を直接的に取り締まる法律がない」からだ。

 たとえば2012年、CAのスカートの中を、ボールペン型カメラで撮影した男が逮捕され、「女性の制服姿が好きだった」と自白したにもかかわらず、最終的には処分保留で釈放された。その理由は、検挙にあたって適用される「迷惑防止条例」が都道府県ごとに制定されているため、どの都道府県の上空で盗撮行為が行なわれたのかの特定が困難だったからだという。こうした抜け道が犯罪を助長している可能性もある。しかし、前出の福岡弁護士はこう指摘する。

「今後は迷惑防止条例が適用されなくても、威力業務妨害で告訴状を出すケースも出てくるでしょう」

 機内の安全を脅かす不届き者には、大きな代償が待ち受けている。

※週刊ポスト2019年9月6日号

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