安倍晋三氏の自民総裁選出馬で「アベする」の言葉の意味が変化

NEWSポストセブン / 2012年9月20日 7時0分

 国のかたちが改めて問われている今、将来の総理大臣が決まることになるかもしれない自民党の総裁選に大人としてまったく無関心ではいられないだろう。ただ、そこに居並ぶ面々を見て、何とも複雑な思いに駆られているのが大人力コラムニストの石原壮一郎氏である。

 * * *
 もしかしたらあの言葉が、今度は別の意味で注目されてしまうのでしょうか。広まるきっかけを作った身としては、なんとも複雑な気分です。

 自由民主党の総裁選は、9月26日の投開票に向け、5人の候補者が基本的には似た主張をぶつけ合っています。新聞などによると、当初は優勢を伝えられていた石原伸晃幹事長が苦戦し、石破茂前政調会長と安倍晋三元首相が戦いを有利に進めているとか。次の国政選挙の結果によっては、自民党の総裁が総理大臣になる可能性も大いにあります。

 今回の自民党の総裁選で驚いたのが、5年前の9月に内閣総理大臣の職を放り出した安倍晋三元首相が、なぜか立候補していること。いろいろお考えはあるのでしょうが、自分で辞めておいて、また臆面もなくその座を伺うというのは、かなり大胆な行為です。

 安部元首相の立候補が報じられた後、自分から会社を辞めたり自分から恋人をふったりしたものの「やっぱりもう一回」を狙うという意味で、「俺もアベするかな」「私もアベしちゃおうかしら」と言っている声があちこちから聞こえ……てはいません。すいません。しかし、5年前の辞職のときは、いきなり責任を放り出せるものなら自分もそうしたいという意味で、何人かが「私もアベしちゃおうかな」などと言っていたのは耳にしました。

 そう、若い方やそれほどネットに漬かっていない健全な社会人の方はご存じないでしょうけど、かつてネット上で「アベする」をめぐる騒動が勃発したことがあります。安倍元首相の辞任会見を受けて、「周囲で『アベする』という言葉が流行っていてカナシイ」と新聞にコメントしたところ、私のブログのコメント欄が激しく炎上したり2chあたりでさんざん叩かれたりしました。いやはや、とんだ災難でした。

 そして現在、ひょっとして私が聞いたことがないだけで、すでに巷では「アベする」という言葉が、臆面もなくしゃしゃり出てくるという意味で使われているかも。これでもし、安倍さんがふたたび総理大臣になったら、奇跡の返り咲きという意味で「アベする」が広く使われるようになるのでしょうか。それはちょっと抵抗あるなあ……。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング