ぎんさん四女(91) 猫で寂しさ紛れるも毛の掃除に追われる

NEWSポストセブン / 2012年9月20日 16時0分

「きんは100シャア、ぎんも100シャア」──そんな名セリフで日本中を沸かせた双子の100才、きんさんぎんさん。あれから20年が経ち、ぎんさんの4人の娘たちも今や平均年齢93才、母親譲りのご長寿だ。

 四女・百合子さん(91才)の暮らす築40年、木造2階建ての一戸建ては、実家の蟹江家(名古屋市)から歩いて7、8分のところにある。長女の実枝さん(66才)が大阪へと嫁ぎ、2000年、夫の銀次郎さん(享年82)が病気で亡くなってから、百合子さんはこの家でひとり暮らしだ。

 百合子さんの家を訪ねて、まず驚いたのは、玄関の上がり框(家の上がり口にある板敷き)がピッカピカに磨かれていることだった。

百合子さん「ああ、これはねぇ、毎朝な、雑巾がけしたあとで、米ぬかを入れた手のひらぐらいの大きさの木綿の布袋で磨いとるんだがね。昔な、おっかさんがやってござったんで、それを真似たわけだけど、今じゃ、もう私の癖になってしもうたがね(笑い)」

 さらにびっくりしたのは、居間も次の部屋も、そして座敷も、きちんと片付いてピカピカに磨かれていることだった。一般的にいって80才を過ぎれば、足腰が弱って、物を整理したり、掃除したりすることが億劫になりがちだ。ましてや、ひとり暮らしであれば、今さら片付けても仕方がないと、家の中は荒れた状態になってしまうことも多い。

百合子さん「やっぱしね、ひとり暮らしちゅうのは、じーっとしていると気分もしぼむでしょ。そいだで、掃除して体を動かすとね、ふさいどった気持ちもスカーッと晴れて、なんだか若返った気になるがね」

 百合子さんの家は、1階が8畳2間と6畳2間、台所と浴室、トイレ、そして2階には8畳間が3部屋もある。普段の生活では使わない2階は1週間に1度だが、1階の各部屋を百合子さんはほぼ毎日のように掃除する。

 この掃除の仕方がユニークというか、なかなかふるっている。なんと、掃除用の器具を3つフル活用して、動き回るのだ。

 まず小さな充電式のコードレスハンディークリーナーで、部屋の中の目立つ埃をさっと吸い取る。それから、より吸引力の強い掃除機で目に見えない埃やちりを吸い込んでいく。

百合子さん「初めからコードのついた大きい掃除機でかけると、目に見える埃ばかり追いかけてしまうがね。あれだけじゃ、きれいにならん。まず小回りのきく小さいので部屋をあらかたきれいにしておけば、後は掃除機を隅から隅までかけるのに集中できるがね」

 さらに仕上げには、粘着シートのローラーで、カーペットや畳の上を丹念に転がして掃除する徹底ぶりだ。

 それというのも、3年ほど前から、百合子さんは猫を飼うようになった。迷い込んできた赤茶色の毛のオス猫で、名前は“アカ”。

百合子さん「猫を飼うようになってから、夜は寂しくなくなったけど、猫の毛が散って、これは放っとけん。床掃除はね、やりだすと、もう止まらない、やめられないで大体1時間半…。汗びっしょりになることもあって、ええ運動になるよ、ハイ」

 高齢者の現況に詳しい東京都健康長寿医療センター副院長・原田和昌さんがこう指摘する。

「年を重ねるごとに、“身の回りをきれいにする”という意欲と能力が低下していきます。掃除するのが面倒で、部屋の中が汚くなるというのは、お年寄りの場合、認知症の初期によく見かけられることです。日常こまめに掃除することは、脳を刺激し、いい運動にもなり、心身ともに若返り効果が期待できると思います」

※女性セブン2012年10月4日号



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