阪神・鳥谷とメッセンジャー、引き際めぐり待遇格差のワケ

NEWSポストセブン / 2019年9月20日 7時0分

鳥谷は現役続行を希望している(写真/時事通信フォト)

 少数精鋭のプロ野球選手のなかでも、「引き際を自分で決められる選手」は一握りだ。今年は、阪神・鳥谷敬(38)や中日・松坂大輔(39)など、一時代を築いた選手たちが進退を迫られている。

「鳥谷ほどの功労者がこんな“冷遇”でええのんか」

 熱心な虎党からは、そんな声も聞こえてくる。谷本修・球団本部長が「タイガースのスターとして現役生活を終えてもらえないか」と事実上の“引退勧告”を通達。現役続行を希望する鳥谷は、ロッテ、中日など他球団への移籍も取り沙汰されている。

 阪神の元球団社長・野崎勝義氏はこう語る。

「鳥谷君を含むベテランは“まだやれる”と思っていますが、70人の登録枠や若手の育成など、球団の構想で押し出される選手はどうしても出てくる。プロの世界ですから、そうした側面は仕方ない。

 もし鳥谷君が移籍して現役を続ければ、功労者でありながら球団とは少し距離ができてしまうでしょうね。

 本来なら引退試合を用意したうえでコーチ打診などをするのが筋ですが、他球団で現役を続ける選手にはそれができない。鳥谷君は功労者としての待遇にふさわしい選手なのですが……」

 鳥谷への“冷遇”ぶりがより際立つのが、同じく今季限りで引退する通算98勝のランディ・メッセンジャー(38)との“待遇格差”だ。

「甲子園での引退試合やセレモニーの開催が検討され、功労者として何らかの球団ポストも用意される見込みです」(虎番記者)

 同じ“虎の顔”でも花道はこうも違うものなのか。

 鳥谷と同様、徳俵に足がかかっているのが松坂だ。右肩痛の影響で今季は一軍未勝利にとどまっている。

「先発陣にドラフト2位ルーキーの梅津晃大(22)や高卒2年目の山本拓実(19)を積極的に起用するなど球団は“若返り”の方針を打ち出している。退団が濃厚と見られている」(中日番記者)

 現役続行を希望しても、手を挙げる球団が現れる可能性は限りなく低い。「来季もドラゴンズでやれるのがベスト」と希望する松坂は、東スポの直撃に「自分の中で、もういいやと思ってしまえば、辞めてしまうかもしれませんよ」と揺れる心境を吐露した(9月11日付)。

“松坂世代”のヤクルト・館山昌平(38)の引退は、同年代の2人とは対照的に映る。

 最多勝(2009年)にも輝き、肩・肘に計9度メスを入れた不屈の右腕は「後悔はなく、穏やかな気持ち」と振り返り、ヤクルト一筋で選手生活を終えた。

 巨人では、松坂とプロ入り同期の上原浩治(44)も現役生活にピリオドを打った。開幕から間もない5月の引退発表は、野球ファンを驚かせた。

 会見では「8~9月でチームが首位争いをする中、自分がこういう会見をするのは違うと思ったので、早く終わろうと思った」と、クライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズを目指すチームを慮った決断だったと明かした。

 伸びる選手寿命、減る消化試合──昭和なら引退試合やセレモニーが用意されたような大選手でも、今の時代では花道を飾れない事情があるようだ。

※週刊ポスト2019年10月4日号

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