『全裸監督』原作者 地上波NGの先にある絶対的な面白さ

NEWSポストセブン / 2019年9月24日 16時0分

FBIに踏み込まれ、逮捕されるシーン(EverettCollection/AFLO)

 世界190か国で配信され、話題沸騰のネットフリックス(Netflix)オリジナルドラマ『全裸監督』。その原作『全裸監督 村西とおる伝』の著者・本橋信宏氏が、ネットフリックスの規格外の制作舞台裏と作品の見どころ、その後の反響を明かした。

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 映像化のオファーがきたのは2017年でした。原作者として私が提示した条件は「映像化するなら舞台を原作と同じ1980年代にしてほしい」という1点だけでした。

 原作となる『全裸監督 村西とおる伝』(太田出版)は、2016年10月の発売でした。映画化の話は刊行後すぐに数社から来ました。ただ、今の映画は、まずは製作委員会を作りスポンサーを募らないと始まらず、なかなか進展しません。ネットフリックスはスポンサーなしの自社制作なので話が早かった。問題は村西監督が、ネットフリックスと主演の山田孝之を知らぬがゆえに難色を示していたことです。「オレの役をやるのは福山雅治しかいない」と言い張る監督を、なんとかなだめて説き伏せました(笑い)。

 昨年の初めごろに、下準備が始まりました。スタッフの大半は20~30代と若く、作中に出てくる80年代の「ビニ本」や「裏本」の存在を知らないんですよ。そこで私から、エロ本を専門的に扱う東京・神保町の芳賀書店を取材するようお願いしました。彼らはレジの台の高さやビニ本を積み上げたら何cmになるかをメジャーで熱心に測っていて、その姿勢には熱意を感じました。

 その後完成したドラマを観て感心しました。新宿・歌舞伎町の一角を巨大なセットで作り上げたり、セスナ機を飛ばしハワイ上空で撮影するなど、巨額の予算とスケールに驚きましたね。

 脚本も演出も素晴らしいと思いましたよ。ドラマは原作に脚色を加えたものですが、それでも「お金がないときは焼肉屋で豚足しか食べられなかった」という小さなエピソードを拾い、物語のラストに繋げるなど、微に入り細を穿って丁寧に作られていると思います。

 この作品にはモザイクやぼかしが入りません。ヘアが映っているシーンもあります。内容も今の時代とリンクしています。昨今は自主規則やコンプライアンスにガチガチに縛られていて閉塞感があります。そこに会議も稟議書もなしに、白いブリーフ一丁で好き勝手に動き回る男の物語を見たら、爽快感を得ますよ。この作品は地上波で流せない内容を扱っていますが、その先にある絶対的な面白さを追求しているんです。

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