巨人と阪神は対照的、プロ野球選手の引退時やその後の処遇

NEWSポストセブン / 2019年9月24日 7時0分

来季はどのユニフォームを着るか(写真/時事通信フォト)

 阪神・鳥谷敬(38)や中日・松坂大輔(39)など、一時代を築いたプロ野球選手たちが進退を迫られているが、少数精鋭の選手のなかでも、「引き際を自分で決められる選手」は一握りだ。

 鳥谷については、谷本修・球団本部長が「タイガースのスターとして現役生活を終えてもらえないか」と事実上の“引退勧告”を通達。現役続行を希望する鳥谷は、ロッテ、中日など他球団への移籍も取り沙汰されている。阪神の元球団社長・野崎勝義氏はこう語る。

「鳥谷君を含むベテランは“まだやれる”と思っていますが、70人の登録枠や若手の育成など、球団の構想で押し出される選手はどうしても出てくる。プロの世界ですから、そうした側面は仕方ない。

 もし鳥谷君が移籍して現役を続ければ、功労者でありながら球団とは少し距離ができてしまうでしょうね。本来なら引退試合を用意したうえでコーチ打診などをするのが筋ですが、他球団で現役を続ける選手にはそれができない。鳥谷君は功労者としての待遇にふさわしい選手なのですが……」

 引退時やその後の処遇は“球団によって対応が異なる”という側面もある。阪神生え抜きとして初の2000本安打を達成し、鳥谷に抜かれるまで球団最多安打記録を保持していた名球会・藤田平氏は、「鳥谷の件は“お家騒動の阪神”らしい」と指摘する。

「僕も引退試合をやってもらっていないんですよ。現役を続けるつもりで秋季キャンプに参加したら、安藤統男・監督からいきなり『専任コーチになってほしい』と要請を受けた。もう全日程が終わっているので引退試合ができなかったんです。

 当時は『阪神でユニフォームを脱いだ方がええやろな』と思って引退の道を選びましたが、今のようにFAやトライアウトの制度があったら、試してみたいと思ったやろうね。誰でも、それほど現役を続けたいもんなんです。

 鳥谷も続けたいならやればいいし、阪神一筋で終えたければ辞めればいいと思う。ただ、コーチや監督をやってみたいなら、球団の言うことを聞いた選手のほうが引退後は幸せになっているんちゃうかな」

 一方、「引退後の保証が手厚い」とされるのが巨人だ。

「巨人はFA移籍の条件として、引退後のコーチ就任やスカウト、アカデミーの指導者などの“再就職先”が用意される。現コーチ陣の村田修一、杉内俊哉、片岡治大らも“外様の再就職組”です。また、巨人や中日のようにマスコミを親会社に持つ球団は、引退後に系列の新聞や放送局の評論家への道も開ける」(スポーツジャーナリスト)

 その巨人では、長嶋茂雄・終身名誉監督の「我が巨人軍は永久に不滅です」の引退スピーチはあまりに有名だが、その裏では辛酸を舐めた選手もいた。

「長嶋と一緒に引退した選手に、V9を支えた正捕手の森昌彦(祇晶)氏、名ショートだった黒江透修氏らもいたが、長嶋氏を送る側になって引退セレモニーでベンチ前に整列していた。引退時も、スーパースターの“引き立て役”にされてしまった」(スポーツ紙編集委員)

※週刊ポスト2019年10月4日号

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング