乗用車、バス、タクシー 事故で生死を分ける座席の位置は?

NEWSポストセブン / 2019年10月5日 16時0分

関越自動車で起きた大型バス事故(写真/時事通信フォト)

 乗り物で出かけて事故が起きた時、“座った場所”によってリスクに差が生じることがある。運転する人がどれほど安全を図っていても、事故はゼロにはならない。そこで、万一の際、生死を分ける「安全な席」、「危険な席」はどこか。最も身近な乗り物である自動車における傾向を探った。

 乗用車やバスでは、「左側」の座席が高リスクだとされる。『JAF Mate』前編集長の鳥塚俊洋氏がいう。

「一概にいえないが、日本は左側通行でガードレールや電柱など車外の構造物が左側に多いのと、突然の飛び出しなどで反射的によけた場合、運転手の反対側の方が高リスクになることはありそうです」

 2012年、群馬県の関越自動車道を走行中の長距離バスが高さ約3mの防音壁に衝突、乗客7人が死亡、39人が重軽傷を負う事故が起きた。原因は運転手の居眠り。この事故でも死亡者のほとんどが左側の最前列から5列目までに集中していた。

「最近のバスは、スケルトンボディという鳥かごのようなフレーム構造が主流になったことで、窓ガラスの面積が非常に大きくなりました。このため、もし横転事故などでガラスが割れた際を考えると、車外放出や、ガラスの破片によるケガのリスクは、“車内中ほど、右側の通路側”が比較的小さくなりそうです」(鳥塚氏)

 市街地を走る路線バスでも事故は起きる。2018年10月には横浜市内の国道を走る路線バスが、道路脇の柱や前方の乗用車に次々と衝突。バスに乗っていた高校1年生の男子生徒が死亡したほか、乗客4人が重軽傷を負う事故があった。路線バスにはシートベルトもなく、立ったまま乗車することもあるため、軽微な事故でも負傷するリスクは大きくなる。自動車評論家の国沢光宏氏が話す。

「そもそも路線バスはそれほどスピードを出さないことが前提なので、多数の死傷者を出す事故は起こりにくい。ただし、着席しているのと立ったまま乗車している場合では、急ブレーキや衝突時に受ける衝撃が大きく変わってきます。『すぐ降りるから』と空席があるのに座らない方も見受けられますが、どの席であれ、バスでは着席を心がけることがリスク回避の有効手段です」

 タクシーの場合はどうか。国沢氏が続ける。

「3人でタクシーに乗るとき、窮屈だからと1人が助手席に乗ることがありますが、できれば避けたほうがいい。一部の旧式セダン型タクシーは助手席エアバッグがない車種があり、目の前にはメーターなどの機器が設置されている。衝突時に顔面などに大けがを負う可能性があるからです。もちろん、後部座席ではシートベルトの着用を怠ってはいけません」

 ただし、車種を選べば助手席でも安全性は高まるという。

「近年、都市部を中心に増えているトヨタの『JPN TAXI』は、助手席エアバッグを装備しているほか、衝突安全性も優れています。自動ブレーキも備えるなど、安全性が飛躍的に高まっている」(国沢氏)

 事故を100%回避することはできないが、座席選びを意識すれば、リスクを抑えられる可能性はある。

※週刊ポスト2019年10月11日号

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