米追従の日本人は“幸福な奴隷”メディアリテラシー獲得重要

NEWSポストセブン / 2012年10月2日 16時0分

 尖閣諸島問題に端を発した「反日デモ」が中国全土で繰り広げられる中、民主・自民両党の党首選では、「毅然とした態度を取る」(野田佳彦・首相)、「中国には国際社会の一員としての資格がない」(安倍晋三・自民党新総裁)など、中国に対する厳しい発言を各候補が繰り返した。

 それは当然である。しかし、その勇ましい論戦に耳を傾けた人にはこんな思いを持った人が少なからずいたのではないか。「なぜ、誰もアメリカにはもの申さないのか」――と。

 オスプレイ配備、TPP参加問題などで「外圧」を強める米国には、誰一人として批判的な発言を口にしない。だから、いくら総理大臣や“次期総理大臣”が「外国にモノを言える政治家」をアピールしても、そこには虚しさがつきまとう。

 新刊『アメリカに潰された政治家たち』(小学館刊)で、現政権を「戦後最大の対米追随」と喝破した孫崎享氏と、早くから「アメリカの対日要求圧力」問題を看破してきたノンフィクション作家の関岡英之氏が語り合った。

孫崎:TPP絡みで恐ろしいと思ったのは、今年の5月に起きたある事件です。在日中国大使館の李春光・元一等書記官がスパイ活動を行なっていた疑いがあるとして報じられました。その対象が鹿野道彦・農水相(当時)で、その後の内閣改造で農水相を辞任しました。

 農水省にどんな国家機密があるのか知りませんが(苦笑)、鹿野農水相はTPP加盟に反対でした。野田首相と米国にとって邪魔な存在だったのです。後任にはJAと関係が強い郡司彰議員が就きましたが、就任後、野田首相の方針に従うと宣言しています。

関岡:あのスパイ事件は発覚したタイミングからして政治的背景が濃厚です。孫崎さんは岸信介も田中角栄も米国の工作で潰されたと述べられていますが、細川護熙首相の唐突な辞任劇はどう見ていますか。

孫崎:細川氏は安全保障で脱アメリカを図り、「成熟した大人の関係」を築くと表現した。彼が作成させた「樋口レポート」は、国連を中心とし、日米安保はその次としていました。

関岡:米国は自主自立派を必ず潰しにくるわけですね。

孫崎:その通りです。細川氏の著書『内訟録 細川護熙総理大臣日記』(日経新聞出版)は、日付からなにから詳細に書かれているのですが、なぜか日米関係の話は一切書かれていない。武村正義・官房長官を外したところから細川政権は崩壊したわけですが、細川氏は訪米中に「武村を外せ」と米国側にいわれ、細川氏から相談を受けた小池百合子氏が自分のブログで書いたことで明らかになった。

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