有線1位大阪ラブソング話題 「関西弁が共感呼ぶ」と評論家

NEWSポストセブン / 2012年10月14日 7時0分

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『あんた』で新人歌手ティーナ・カリーナが人気急上昇中

 9月にデビューしたばかりのシンガーソングライター、ティーナ・カリーナ(26才)が歌う関西弁ラブソング『あんた』がじわじわと人気を集めている。

 ティーナは大阪府池田市出身の女性歌手。『あんた』は、3年前に交際していた彼氏へ思いを綴ったもので、恋人を思う切ない気持ちをストレートに歌った直球のラブソングだ。

 ラジオや有線放送で流れると、情感あふれる歌声が共感を呼び、問い合わせが殺到。関西地区の有線チャートでは、デビュー前の8月15日に144位で初登場すると、わずか2週間(8月29日付)で1位を獲得した。「泣ける」「号泣した」との感動の声は全国にも広がり、有線のJ-POP総合チャートでもベストテンにランクイン。最新のランキングでも6位をキープしている。

 もともと9月にリリースしたデビューミニアルバム『ティーナ・カリーナ』に収録されていた1曲だったが、この反響を受け、レコード会社では急きょ10月17日にシングルカットすることを決定した。

 この曲を歌うティーナは、本名・田中里奈(たなかりな)。阪急うめだ本店に6年半勤務した元デパ地下販売員で、地下食品売り場でえびせんの販売を担当し、サービス優秀販売員にも選ばれたこともあるという異色の経歴の持ち主だ。

 デパ地下販売員をするかたわら音楽活動を行っていた彼女は昨年3月、東日本大震災が起きる直前に一念発起してデモテープをレコード会社など50社に送った。しばらく音沙汰はなく、諦めかけた2か月後、Greeeenなどが所属する仙台の音楽事務所エドワード・エンターテインメント・グループから声がかり、25年住んだ大阪を離れて仙台発信アーティストとして遅咲きのデビューを果たした。

 デビュー当初からティーナに注目していた音楽評論家の富澤一誠さんは、『あんた』が注目を集める理由について、震災以降の“故郷志向”の高まりを挙げる。

「震災によって故郷が突然なくなってしまったり、帰りたくても帰れない被災者の状況を見て、私たちは故郷のことを考えざるをえません。必然的に家族、友達といった大切な人や、思い出など大切なものについて思い浮かべてしまいますよね。そんな時代だからこそ、大切な人を思う『あんた』のような直球のラブソングが求められているといえます」

 そして、『あんた』で特徴的なのはその歌詞だ。関西弁で彼氏、“あんた”への気持ちを情感たっぷりに歌い上げている。関西弁のラブソングといえば、やしきたかじん『やっぱ好きやねん』、川島英五『酒と泪と男と女』、上田正樹『悲しい色やね~OSAKA BAY BLUE~』などが知られるが、富澤さんも『あんた』の関西弁に注目する。

「私たちの潜在下に眠っている本音を素直に語ろうとすれば、それは子供の頃から使い慣れた“方言”になってしまうということです。『あんた』の歌詞にある関西弁にも、愛する人への思いが凝縮されています。愛する人を大切にしよう、守ってあげたいという真摯なメッセージが込められていて、それが関西弁によってリスナーの潜在下の意識に訴えかけてきて、共感を呼ぶのです」



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