長く飲み続けている薬 効用を副作用が上回るケースも多い

NEWSポストセブン / 2019年11月24日 16時0分

長く飲み続けていたら、見直しも検討を

 生活習慣病の薬を中心に、高齢になるほど「長く飲み続けている薬」が増える。もちろんそれらの中には数値を安定させるため、いくつになっても飲み続ける必要のある薬もある。

 だが年齢を重ねるほど代謝が落ち、薬の効用を副作用が上回るケースも多い。高脂血症治療薬「スタチン」はコレステロール値をよく下げる薬だが、高齢者には効き過ぎのリスクが指摘されている。

 2017年にアメリカの医学誌『JAMA Internal Medicine』に掲載された論文では、調査した約2800人のうち、スタチン系薬剤を使用した人は、生活指導だけを受けた人に比べて死亡率が18%高く、75歳以上では34%も高かった。セルフケア薬局の薬剤師・長澤育弘氏が指摘する。

「目安として、75歳になったら、別の薬に切り替えるか、減薬を検討してもよいでしょう」

 もちろん、長く服用する薬を自己判断でやめることは大きなリスクを孕む。「必要なのは、まず医師に減薬を切り出すことです」と指摘するのは『知ってはいけない薬のカラクリ』の著者でナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師だ。

「生活習慣病関連の同じ薬を長年にわたって漫然と飲み続けることはリスクを伴います。目安としては65歳や70歳という区切りの年齢を迎えたら、全面的な薬の見直しを主治医に申し出る。それ以降は副作用が出なくても、できれば年に1度は主治医に相談してください」(谷本医師)

 こうした“やめどき”の情報を知るのとともに重要なのは、自分がどの薬をどれだけ飲んでいるかを正確に把握することだ。

「そのためにもお薬手帳で自分の薬をしっかり管理することが必要です。薬についてわからないことがあるのに主治医や病院がきちんと教えてくれなかったら、薬剤師に何でも聞いてみてください。薬剤師から医師に対して、減薬や薬の変更の提案ができるケースもあります」(長澤氏)

“薬漬け”を脱却できるかどうかは、患者が自身の薬についてきちんと理解できているかどうかにかかっている。

※週刊ポスト2019年11月29日号

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