高脂血症用剤で筋肉痛、糖尿病用剤で低血糖のちに死亡の例も

NEWSポストセブン / 2019年11月25日 7時0分

薬がかえって命を脅かすケースも

 あなたの健康を守るはずの「薬」が、かえって命を脅かすケースがある。銀座薬局の薬剤師・長澤育弘氏が警鐘を鳴らす。

「広く使われている薬のなかにも、『命にかかわる副作用』が出ることはあるのです」

 厚労省「薬事・食品衛生審議会」の報告によると、2017年度には5292人が副作用を疑われる症状で命を落としている。

「高血圧を患った男性(70代)が急性心不全を発症。のちに死亡」
「糖尿病を患った男性(70代)が間質性肺疾患を発症。併用薬あり。のちに死亡」

 これらは、国が報告を受けた「副作用が疑われる症例」の内容だ。

 一般に医薬品の副作用は、薬が病院や薬局に納品される際についてくる医薬品添付文書に記載される。しかし、発売後の薬を服用した患者に副作用が出た場合、その薬を製造した製薬会社や医師などが厚労省に報告しなければならないと法律で定められている。その情報は所管のPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が精査して、必要に応じて国が添付文書の改訂を製薬会社に指示する。一連の副作用が疑われる症例に関する情報はPMDAのホームページに公開されており、冒頭で示したものはその一部だ。

 ただし、こうした情報は必ずしも、処方を受ける患者に広く周知されているとはいえない。

 そこで本誌・週刊ポストは、前出の薬剤師・長澤氏協力のもと、厚労省が公表する最新の処方数データから、「降圧剤」「高脂血症用剤」「糖尿病用剤」「解熱鎮痛消炎剤」など、“60歳以上の男性への処方が多い薬”を抽出。それらの薬の副作用が疑われる症例として、どのような実例が報告されているのかをまとめた。

◆体に力が入らない…

 PMDAのデータベースでは、市場に数多く出回る降圧剤の中でも使用頻度の高い「ARB」(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)の「ミカルディス」「カンデサルタン」などの服用後に、「間質性肺疾患」による死亡例が報告されている。

「間質性肺疾患は、肺組織に無数の炎症が起こり、肺が固くなって呼吸困難となる疾患です。深刻化して呼吸不全になるケースもある。肺がんのリスクを高める因子であり、治療が遅れてしまうと命を落とすケースもあります。

 初期の症状としては“なんだか息苦しいな”と感じるようになり、痰の出ない空咳や息切れが生じます。季節性の風邪と勘違いしやすいのですが、風邪薬を飲んで済ますのではなく、医師に相談が必要です」(長澤氏)

「ARB」と「カルシウム拮抗薬」を配合した「アイミクス」を飲んだ後、80代の男性患者が「失神」した症例もある。

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