さらば原発 庶民が電気を使えなくなる未来がやってくる

NEWSポストセブン / 2019年11月25日 16時0分

電気が高嶺の花に?(イラスト/井川泰年)

 福井県の高浜原発をめぐり、関西電力の経営幹部らが高浜町元助役から金品を受け取っていた問題を調査していた県の調査委員会が11月21日、調査結果を公表した。現金だけでなく、高額な商品券や、なかには10万円相当の小判を贈られた人もいて、総額3億円を超えると言われる金品の受け取りが確認された。経営コンサルタントの大前研一氏が、日本の電力業界の今と、未来の電気について考察する。

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 関西電力の幹部らが高浜原子力発電所がある福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受領していた問題は、今も第三者委員会の調査が続いている(本稿執筆時点)。八木誠会長や岩根茂樹社長をはじめとする6人が引責辞任に追い込まれはしたが、根本的な問題は何も解決していない。

 この問題は、日立製作所の原子炉設計者として一時期この業界に身を置いた私に言わせれば「さもありなん」である。後述するように、それらの不正は起きるべくして起きたのだと思う。

 私は、2011年に起きた東日本大震災(3.11)の大津波による東京電力福島第一原発事故直後に事故原因を独自に調査・分析・検証し、二度と同様の惨事が起きないようにするための方策を『原発再稼働 最後の条件』(小学館)という本にまとめた。歴史を振り返れば、あらゆる技術は事故から学んでより安全になる。その意味では、福島第一原発事故の悲劇も原発をより安全にする大きなチャンスだと考えたからである。

 同書の中では、原発の安全対策とともに万一、重大事故が起きた時のアクシデント・マネジメント(事故対応)についても俎上にあげ、電力会社、政府、地元自治体が最新情報をリアルタイム・双方向で共有し、連絡・協議を密にして迅速な意思決定ができる仕組みの構築を提案した。さらに、それを自民党の原発対策の責任者になった国会議員にもレクチャーし、実行するよう求めてきた。

 ところが、彼らは「いざとなったら」という話ができない。たとえば「原発事故が起きた場合を想定して避難訓練などの予行演習をしなければならない」と提案したら、「そんなことを言ったら、お前は事故が起きると思っているのか、と地元の住民に突き上げられるから無理です」と拒否された。これはいわゆる「言霊」(言葉には霊的な力があり、発した言葉通りの結果が現われるとされる)の世界であり、その壁の前で自民党の国会議員は思考停止状態に陥っているのだ。

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