英語の「happy」に対応する日本語は明治になってから作られた

NEWSポストセブン / 2012年10月19日 16時0分

 フジテレビ系バラエティー番組『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が、近ごろの“登山ブーム”を脳科学的に分析する。

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 ここ数年、ファッショナブルなウエアで登山をする若い女性、“山ガール”が増加傾向にあるようですが、登山ブームは、「日本人の進化」という観点からみるとかなりうなずけるものです。

 地球上に存在するすべての生物は、細胞から構成されていますが、その細胞一個一個に、遺伝子情報を記録したゲノムが存在しています。つまり、ゲノムとは、細胞の中に存在する遺伝子情報の総体です。

 そして日本人は、大きくみれば同じゲノム・クラスター(ゲノム集団)に属します。それは、進化的にほぼ同一の言語や文法などを使ってきたからです。したがって、日本人は、「日本列島環境への適応」という観点からみても、共通した身体的、脳的特徴を共有しているとみなせます。

「日本列島環境への適応」は、当然ながら私たち日本人の脳機能に大きな影響を及ぼしてきました。そして、影響を与えたもののひとつが、「登山」なのです。

 日本列島は、南北に細長い島国で、その中央を急峻な山脈が縦断しています。国土の75%を山地が占めますが、これほど山が多く平地が少ない環境は非常に珍しいため、山と海への適応そのものが、日本人の民族的特徴を作りました。

 例えば、英語の「happy」に対応する日本語はもともと存在せず、明治時代になってようやく、訳語としての「幸福」が造語されました。もともと存在していた「幸」は「山の幸」「海の幸」の幸で、かつ、幸は「境」を意味する「さ」と霊力を意味する「ち」が組み合わさったという説があります。

 古来から、日本人は、山に霊的なものを感じてきたようで、山に入り、山の「霊力」をうまくコントロールしてとった食べ物(獲物)こそが「山の幸」でした。

 これらのことから日本人は、山に入り食料をとるという行為に幸を感じる=適応するような性質を(民族的・ゲノム的に)持っていると推測できます。

※女性セブン2012年11月1日号



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