8000円のセミナーで「世界一のセミナーが39万8000円」と宣伝

NEWSポストセブン / 2012年10月31日 7時1分

 最近話題になっている“ノマド”。場所に縛られず働くという考え方だが、ノマド志望者向けのセミナー(8000円)に参加したところ、そこでは講師自身が悲惨な人生からいかに這い上がってきたかの成功談が語られた。

 スクリーンには公園や海外でMacBookを広げて優雅に仕事をする講師の写真が映された。参加者にとっては「理想的なノマド生活」そのものなのだろう。そうした写真が映るたび、参加者からはため息が漏れた。

 開始30分後、ようやく本題に突入。「いかにしてネットで有名になるか」のテクニックの解説だ。講義の合間には、それらテクニックを実践すべく、誰かとパートナーを組み、お互いについて語るトレーニングもあった。筆者のパートナーは29歳の美人女性会社員。アパレルメーカーに勤務中だそうだが、現在デザインのアルバイトをしているらしく、いずれはそちらを本業にしたいとのこと。

「今日の講師陣ともSNSを通じて知り合いました。今後も有名人の人脈を広げていきたいと思っています」と生き生きと抱負を語る彼女。一方、筆者が「何がやりたいのかわからなかったけど、まずはセミナーに参加してみました」と口ごもると、その消極的な態度に呆れたのか、一瞬沈黙が続いた後、「……お互い、頑張りましょうね!」と励まされた。

 そして、講座終盤、突然講師が口にしたのが某著名なマーケティング講師Aの名前。「某セミナー会場を満席にした」「1回で数十万の価値がある講義」などとAの実績について語った後、「そんな世界一のセミナーが、たった39万8000円で受けられます!」と唐突に彼のセミナーの宣伝を開始した。

 約40万円という金額に面食らう筆者とは対照的に、熱心にメモを取る20代の若者もちらほらと見受けられた。彼らは「世界一のセミナー」にも申し込むのだろうか。

 終了後、講師は「あそこにいるのは、本日のイベント関係者の方々です。みなさん、名刺を交換しましょう!」と大声で叫び、部屋の隅にいる男性を指差した。その言葉につられ、数分後には男性の前には行列ができていた。

 その行列に並ぶのも面倒なので、せめてパートナーを務めてくれた美人会社員と名刺交換しようとしたが、彼女はすでに隣にはおらず、講師陣と熱心に名刺交換を繰り広げていた。

「意識の低い」筆者には最後までこのセミナーのありがたみが理解できなかった。

※SAPIO2012年11月号



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