渋野日向子はなぜ強い? ゴルフの常識を覆す凄ワザとは

NEWSポストセブン / 2019年12月9日 16時0分

大ブレイクの秘訣は?(写真/Getty Images)

 女子ツアーの最終戦「LPGAツアー選手権リコー杯」の中継は、平均視聴率13.6%と今シーズン最高をマーク。瞬間最高は16.1%で、渋野日向子が18番でバーディを決めた瞬間だった。惜しくも賞金女王こそ逃したものの、大ブレイクを果たす1年となった。

 その強さの裏には、これまでの“ゴルフの常識”を覆すいくつもの凄ワザがある。一つが「球筋」だ。

「これまで、とくに女子プロの場合はコントロールしやすくて安全な『フェードボール』を持ち球にするのがセオリーでした。それが今季は、1998年生まれの“黄金世代”を中心に『ドローボール』を武器にする選手たちが活躍を見せた。その代表格が渋野です」(ゴルフ担当記者)

 ドローはフェードに比べて飛距離が出るが、曲がってOBやラフの危険が大きいとされてきた。

「ところが、渋野はドライバーでドローを打って正確に遠くへ飛ばし、バーディやイーグルを奪う。だから、9月のデサントレディース東海クラシックの最終日に8打差を大逆転したような劇的な勝ち方ができる。

 渋野のスイングの特徴としてわかりやすいのは、スタンス幅が広く、アドレスでの手の位置が低いこと(ハンドダウン)。アドレスに安定感があり、スイング中も軸がブレずに振り切っている。そうやって力強いドローを飛ばしていくのです」(同前)

 わかりやすいだけに、つい真似したくなるが、プロゴルファーの沼沢聖一氏はこう注意を促す。

「女子プロでハンドダウンのアドレスなのは渋野だけです。彼女は腕が長いので自然とハンドダウンになる上に、肘の可動域が広い“猿腕”なのでスイング中に両脇が空かない。この条件が揃うことで、常に腕が体の近くにあり、ヘッドが走ってクラブにパワーが伝わるスイングになる。単にハンドダウンだけを真似すると、フェースが自然と左向きになって“引っかけ”のミスが出やすくなります。

 広いスタンスについても、渋野が他の選手に比べて下半身の強さがあるからできること。月1ゴルファーがやっても途中で乱れてしまうと思います」

 ショットに加え、渋野と言えば“強気のパット”が代名詞だ。

「パットは上りも下りも7メートル以内は狙って打つそうです。カップに届かないパットを打たないのが信条。とにかく渋野はパターの練習量が半端じゃないから、頭と腰が全く動かずにストロークできて、パターの芯でボールが捉えられる。こちらはアマチュアがお手本とすべき打ち方です」(前出・沼沢氏)

 他にも渋野は、ボギー以下を叩いた直後のホールをバーディ以上であがる割合の「バウンスバック率」がツアー全選手でダントツ。“メンタルの強さ”も凄まじく、魅力を挙げていけばキリがない。

※週刊ポスト2019年12月20・27日号

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