アンダーヘア脱毛 産婦人科医の間では賛否両論も

NEWSポストセブン / 2019年12月10日 16時0分

丹羽レディスクリニック院長の丹羽咲江氏

 近年、女性の間でブームになりつつあるのがアンダーヘアの脱毛だ。週刊ポストが2019年に、20代から40代の女性300人を対象に行った調査では、およそ3分の1(105人)の女性が何らかの形でヘアを処理していることが明らかになったが、アンダーヘアは不要なものなのか? 丹羽レディスクリニック院長の丹羽咲江氏が解説する。

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 人類の祖先ホモ・サピエンスは全身が毛で覆われていましたが、氷河期以降の進化過程でほとんどの体毛がなくなりました。そして脇や股間の体毛が残り、人間はほ乳類中で唯一、陰毛を持つ生物になったのです。

「なぜ陰毛が残ったのか」という疑問には、私も日本性科学連合性科学セミナーで「陰毛脱毛の捉え方と性」について発表したことがあります。理由のひとつとして、陰毛は“生殖準備が整った成人の証”とされ、視覚的に異性に認識させるべく思春期後に生えるものだという説が挙げられます。もうひとつは“陰毛は発情期のない人間が、異性を引き寄せるフェロモンを染みこませるための重要なパーツ”であるという説です。

 性器周辺のアポクリン汗腺が発生させる分泌物は、分泌当初は無臭ですが、時間が経過すると匂いを放ちはじめます。縮れ毛の陰毛は直毛よりも多くの空気を絡め取り、匂いの元となる菌を増殖させることで、匂いをこもらせるのです。昨今では、匂いの発生源を絶ち清潔を保つ風潮があり、妊娠や出産に備えた“妊活脱毛”や介護を見据えた“介護脱毛”なる動きからアンダーヘアの脱毛が盛んになっています。

 この動きには産婦人科医の間で賛否両論があります。特に50代以上の産婦人科医からは「陰毛は性器周辺のクッションとなり摩擦で外陰部の肌が荒れたり出血するのを防ぐ役割がある」などの意見が多い。一方、若年層の産婦人科医からは 「陰毛が性行為中に膣に入り込んだり、ムレやかぶれの原因にもなるので、(陰部の両サイドに当たる)Iゾーンは不必要」という意見が多いようです。

 私も後者の意見には賛成で、Iゾーンと肛門周辺のOゾーンの陰毛は現代の生活環境においては不要だと考えています。私自身も数年前にIゾーンだけでなくOゾーンの医療脱毛を済ませました。しかし同じ陰毛でも両脚の付け根にあたるVゾーンは、生殖準備が整った大人の証として、そしてフェロモンを放つパーツとして残しておくことが良いのではないかと思います。

※週刊ポスト2019年12月20・27日号

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