ジャンクフードがやめられぬ訳 薬物中毒と同様の症状を確認

NEWSポストセブン / 2012年10月26日 16時0分

 白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏が、ジャンクフードがなぜやめられないかを解説する。

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 ジャンクフードが体に悪いことは誰でも知っている。でも、「わかっちゃいるけどやめられない」。なぜ人はジャンクフードを我慢できないのか。

 米フロリダ州スクリップス研究所のポール・ケニー博士とポール・ジョンソン博士は、実験室のネズミでさえジャンクフードにより中毒症状に陥ることを報告している。

 実験室のネズミは通常、栄養素や食物繊維が十分に含まれた餌で飼育されているが、博士らが通常の餌をベーコン、ソーセージ、チーズケーキ、パウンドケーキ、チョコレートなどのジャンクフードが含まれている“カフェテリア餌”に置き換えてみたところ、ネズミは通常の餌には見向きもせずにジャンクフード中毒に陥り、ついには肥満症を発症した。

 肥満症を発症したネズミを通常餌に戻すと、ネズミは2週間たっても通常の餌を食べずに、ジャンクフードを待ち続けたという。ネズミは完全に「ジャンクフード中毒」になり、もはや通常の餌では満足できずに“ハンガー・ストライキ”の道を選んだのだ。

 博士らがその理由を探ると、肥満症を発症したネズミの脳では、快楽を司る神経伝達物質「ドーパミンD2」の受容体の発現が減少していた。ドーパミン受容体は脳の報酬系(欲求が満たされると快く感じる神経系)を制御しており、コカイン中毒やヘロイン中毒など薬物中毒患者の脳でも、その発現が減少することが報告されている。

 さらに驚いたことに、ジャンクフードを食べると床に電気ショックを与えるという嫌な条件付けをしても、ネズミは電気ショックを受けながらジャンクフードを食べ続けたのだ。つまり、ネズミは脳が麻痺して電気ショックも厭わずにジャンクフードを求め続ける完璧な「中毒」に陥っていたのだ。

※週刊ポスト2012年11月2日号



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