映画寅さん 横尾忠則氏が「山田監督のアイディア盗用」に激怒

NEWSポストセブン / 2020年1月4日 7時0分

横尾忠則さんは怒り心頭(写真/共同通信社)

 公開中のお正月映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』に思わぬトラブルが発覚した。同作品について、山田洋次監督(88)と旧知の間柄である世界的アーティスト・横尾忠則氏(83)が「自分のアイディアを山田監督に無断使用された」と怒り心頭だというのである。横尾氏は自宅アトリエで120分間、本誌・週刊ポストに思いの丈をぶちまけた。

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◆「コラージュ」を提案

 今回の新しい『男はつらいよ』のコンセプトとアイディア、それは僕が山田洋次監督に示したものが核になっているんです。公開直前になるまで、その事実を彼は全然世間に明かさなかったし、僕に一言の断わりもなかった。事実を隠蔽されたから怒ってるんではありません。モノづくりに携わるアーティスト同士のモラルが、あまりに欠けてることに呆れ、憤ってるんです。要するにプライドの問題です。

 創造は取り込むことではなく吐き出すことです。感情も同じ。今回の週刊誌での抗議は、感情が自分の中を汚染しないために取った手段です。

〈12月27日から公開中の『男はつらいよ お帰り 寅さん』。渥美清演じた車寅次郎をCGで再現し、オリジナル・キャストと過去作品の名場面をつなげて完成させた国民的映画の50作目だ。その製作から公開まで、人知れず苦渋と困惑を押し殺してきたのが美術界の巨匠、横尾忠則氏である〉

 山田さんとの出会いは、1995年に『男はつらいよ 寅次郎紅の花』を観た後、短いエッセイを新聞に書いたんです。「いい加減、浅丘ルリ子さんのリリーと寅次郎を結婚させて、新シリーズを出発させたら?」という内容で。それをルリ子さんが読んで「エッセイのリリーの挿絵を山田監督が欲しがってる」と電話してきたんです。

 でも、ペンでサラッと描いたものを渡すのは失礼だから、いつかちゃんと描いてあげようと思っていたんです。それから10年以上経ってから、いきつけの蕎麦屋でたまたま山田さんにお会いして、今の話を挨拶代わりにしたわけ。すると「渥美さんの肖像画をほしい」と仰るから、すぐキャンバスに描いてプレゼントしました。それから蕎麦屋で会ったり、一緒に映画を観る仲になったわけです。

 今度の新作のコンセプトを話したのは2012年1月に西武池袋本店で開催した「山田洋次監督50周年記念展」の直前です。僕はこの催しのポスターを頼まれました。

 初めての出会いに続き、またしても蕎麦屋での話ですが、山田さんが「渥美さんなしに寅さんは撮れない」と寂しそうに言われた。だから僕は「撮れますよ」と応じたんです。彼は「どうやって?」と驚いて顔を上げたので、「過去49本の寅さんの映画から抜粋、引用してコラージュすればいい」と提案したんです。

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