CT・MRIの画像診断 機器の性能によって大きな差が出る

NEWSポストセブン / 2020年3月13日 7時0分

どんな機械を使っているかが重要

 健康診断の際に使われる画像診断のCTとは「コンピュータ断層撮影装置」のことで、患者の周囲をX線源と検出器が回転し、人体を透過してきたX線を検出器が感知。そのデータを収集し、コンピュータで断層画像として写し出す。

 一方、MRIは強力な磁気によって人体各部の断層画像を撮る「磁気共鳴画像診断装置」のこと。いずれも人間ドックや精密検査などで使用されることが多い。画像診断専門クリニックである霞クリニックの島村泰輝医師が言う。

「CTとMRIでは求められる能力が違っています。CTは広範囲の検査を短時間で行なって、小さな病変も写し出す。

 MRIは病変と正常組織の違いがわかりやすく写るのが特長です。CTのように造影剤を用いなくても血管を写せるメリットがあり、脳動脈瘤などの経過観察にもよく使われます。ただし、MRI検査は時間がかかります。服を着替え、時計やペースメーカーなど体の内外に金属がないかを確認し、横になった状態でそこからさらに30分くらいかけて撮ります」

◆高スペックだと画像は鮮明

 歴史はCTのほうが古く、1968年にイギリス人によって開発され、日本には1975年頃に導入された。1978年には保険適用されている。

「検出器は『列』で数えますが、最初は1列しかなく、1度の稼働で1枚の画像しか撮れませんでした。検出器が増えれば一度に撮れる範囲が増えるので、1990年代には4列CTが開発され、2000年代に入ると16列、32列、128列、256列と列数が伸び、今は320列まできています。

 これはつまり、1度CTを稼働させるだけで、320枚もの人体の輪切り写真を撮影できることを意味します」

 多列のCTを使えば短時間で撮影できるため、被曝量も少なくてすむ。最近では、立ったまま撮れるCTも開発が進んでおり、例えば立った状態で背骨にどんな負担がかかっているかを見ることも可能になるという。

 MRIは1973年に原理が考案され、1981年に日本でも開発が始まった。

「MRIの歴史は画質との戦いで、強い磁場ができればそれだけ画質が上がる。磁力線の束の密度は『テスラ』という単位で表わしますが、昔は永久磁石を使って0.2テスラや0.3テスラがせいぜいでした。それが今は1.5テスラ、3.0テスラのMRIが開発されています。

 1.5テスラと3.0テスラでは診断能に差がなかったという論文も出ていますが、脳の血管は明らかに3.0テスラのほうが鮮明に、細かいところまで見えます」(島村医師)

 1.5~3.0テスラといった高出力ではないものの、従来と同程度の出力を保ち、かつ閉所恐怖症で検査器に入れないという人のためにオープン型のMRIが登場。こちらはMRI独特の“ゴウンゴウン”という音が抑えられるメリットもある。性能面だけでなく、患者の負担を減らす進化もみられる。

※週刊ポスト2020年3月20日号

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