女子マラソン・一山麻緒が覆した「女子は非厚底」の常識

NEWSポストセブン / 2020年3月17日 7時0分

国内最高記録の快走だった(時事通信フォト)

 東京五輪マラソン女子代表の最後の1枠に、22歳の新星・一山麻緒が滑り込んだ。3月8日の名古屋ウィメンズマラソンで日本歴代4位の2時間20分29秒で優勝。

「高校時代は無名だったが、福士加代子(37)に憧れてワコールのスカウトに“マラソンで五輪に出たい”と志願。その気概を買って、永山忠幸監督が走りを見ずに採用した」(スポーツ紙デスク)

 昨年9月のMGCでは2時間32分30秒で6位だったが、2月に米国で高地合宿を重ねたことに加え、今回はナイキの「新型厚底シューズ」でレースに臨んだ。名古屋にはMGC出場選手5人が挑んだなか、唯一、ナイキを選んだのが一山だった。

 メーカー関係者は厚底シューズについて「重心を前に傾けた時にソール(靴底)のカーボンプレートで推進力が生まれる構造の厚底を使いこなすには、筋力が求められる。女子では効果が薄いのでは」と語っていた。

 以前、薄底シューズよりも厚底シューズは重いことが女子には向いていない理由の一つでは、と分析したスポーツジャーナリストの酒井政人氏がいう。

「一山選手は終盤に着地の衝撃で足底が痛む持病があったが、2月の丸亀ハーフで厚底を使ったところ、クッション性で痛みが解消したといいます。それで今回も使用し、最後まで足が残った。ワコールはアディダスと契約しているので、勇気のいる決断だったと思う」

 チームの契約による制約に加え、高橋尚子や野口みずきが本人の足に合わせたオーダーメイドのシューズで五輪金メダリストとなった歴史もあり、女子のナイキ使用者は決して多くなかった。その流れが変わりつつある。

「年明けから女子の使用者が増えてきた。一山選手が大きなストライドで跳ねる走り方であることも、厚底に向いていたのではないか」(前出・酒井氏)

 女子の代表3人のうち、MGC優勝者の前田穂南(23)が唯一アシックスを使っている。

「前田選手が所属する天満屋はアシックスと長い付き合いがある。慣れたシューズで本番も走るのでは」(前出・酒井氏)とみられるが、大舞台を前にそれぞれの決断が“脚光”を浴びている。

※週刊ポスト2020年3月27日号

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