ネットで「悪の村」と指弾された上小阿仁村長が「いじめ」に反論

NEWSポストセブン / 2012年11月25日 16時0分

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秋田県・上小阿仁村の中田吉穂村長

「悪の村」「村民全員が意地悪い」。診療所の医師が辞職するたびにネットでそんな風評を立てられて苦しんでいる村がある。秋田県中央部に位置する上小阿仁(かみこあに)村だ。なにが原因なのか、どのような被害が起きているのか。村長のインタビューを中心に、村の現状をリポートする。(取材・文=フリーライター・神田憲行)

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 上小阿仁村は人口約2700人、65歳以上の高齢者が人口に占める割合の高齢化率45%(秋田県の自治体で最高水準)。村民の年間平均所得は143万3000円、県下で下から2番目に低い。村の総面積の90%以上は山林原野だ。

 ことの発端は、この村で公募した村の診療所勤めの医師が、08年からの4年間で4人とも短期間で辞めていったことである。とくに2011年5月30日に2番目に辞めた女性医師に対して一部村民から言いがかりのようなクレームがあったことを、前村長が村の広報誌で紹介した。

《まったく「いじめ」と思われる電話もあるそうですが、このような不心得者は、見つけ出して、再教育の必要があるようです》
《このような不心得者は、わずか5~6人に過ぎないことを確認しております》

 その後も医師が辞職するたびに、「いじめがあった」とネットに書き込まれるようになった。

「ネットの書き込みを見て、村に『悪の村』とかメールや電話が掛かってきています。これはもういじめですよ。あんな思い込みの書き込みを本気になするなんて、ちょっとおかしいんじゃないか」

 上小阿仁村の中田吉穂村長(61歳)はそういって顔をゆがめる。

──しかし4年間で4人とも短期間で次々と辞めるというのは不自然ではないでしょうか。

中田:どうして? 体調不良であればしょうがないですよ。

──2番目の女性医師に関しては、前村長が広報誌で村民の「いじめ」のようなものがあったことを指摘しています。

中田:うん、その文章は重い。でも当時町議だった私はこの女の先生が辞めて帰られる前に1時間ほど話をしたのよ。「上小阿仁のことは忘れない」と言ってくださったし、「(広報誌で)本意ではないことを書き残されて、私としては悔やみきれない」と話されていたんですよ。

──この文章では「不心得者が5~6人」と具体的です。

中田:これは、これはよ……(首をかしげて)前の村長がどういう意味で書いているのか……。

──では中田さんは、辞めていく理由についてどのように分析されていますか。

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