パチンコ店幹部に先行きが心配かと聞くと、笑って首を振った

NEWSポストセブン / 2020年5月31日 16時5分

 西口さんによれば、2000年代のパチンコ市場の売上は30兆円くらいあったそうだ。ちょうどコロナによる国の緊急経済対策が30兆円、日銀の資金供給策も30兆円、世界のトヨタ自動車も2020年3月期決算の売上高が30兆円くらい、市場規模だけ見れば、アミューズメント産業としてはとんでもない優等生だったことがわかる。ちなみに日本のアニメ市場は2兆円産業、ゲーム市場は1兆円産業と言われるが、アニメはもちろん、ゲーム業界すら、任天堂やソニーはもちろん、あらゆるソシャゲ、ゲーセンが束になってもこのくらいである(2018年は1兆4000億円)。アニメもかつては1兆円程度だったが海外展開で倍増した。外需こそが低迷し続ける日本の景気を支えてきた。

「パチンコも30兆円を誇ったのが、いまでは20兆円産業です。全盛期の3分の2ですが、実質的にはもっと少ないんです。だって日野さんが挙げたトヨタやアニメやゲームというのは売れたら売れたで純粋に売上ですが、パチンコって当たり前ですけどお客さんに返さなきゃいけない分があるんです。ホールの粗利ってみなさんが思うよりずっと低い。意外と戻してるんです。よく言われる市場規模ほどには裕福じゃないんです」

 なるほど、実質的にはギャンブルなわけで、全部ホールの売上というわけにはいかないだろう。現在のパチンコホールの粗利率は、「遊技場データブック2019」によると2018年平均で16.3%。業種別にみると、製造業がおおよそ50%、コンビニが30%で、パチンコホールと同程度の粗利率となると卸売業がそれに近い(約15%)。一般的なイメージよりも、パチンコホールはぼろ儲けしているわけではないことが分かる。当たった分は戻す、当たり前の話だが、仮にそうだとしてもなんだかんだ他の内需産業に比べれば儲かっているのだから凄い話だ。「レジャー白書2019」によれば、日本の余暇市場でパチンコ産業はいまだに全体の3割近くを占めている。またこれは意外と知られていないが、パチンコ産業の雇用数は22万人で日本の自動車産業主要10社国内単体でのそれを上回る。好き嫌いはともかく一筋縄ではいかないほどの巨大産業だ。しかし西口さんによれば個々のホールはそんなことを誇っていられない事情があるという。

「パチンコもパチスロもそうですが、ずっと同じ機種を置くことは出来ません。これは人気があるとかないとか関わらず、一企業が莫大な設備投資で導入した遊技機を、使えようが人気があろうが捨てなきゃならんのです。みなし機と言うんですが、だいたい3年、粘って6年かな、撤去しなければならない。もちろん厳密に守ってるとこなんて大手や大都市のホールはともかく少ないですけどね、千葉の田舎じゃまあ、のらりくらりです。かといって完全無視というわけにはいかないわけで」

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