無印やユニクロも参入で「マスクバブル」は完全に終焉迎える

NEWSポストセブン / 2020年6月3日 7時5分

 このため、アパレルブランドとしては洋服の売れ行きが望めない中で、少しでも売り上げを作るために、目下のところ供給が需要に追い付いていないマスクを製造販売することは、ブランドを存続させるためには必要不可欠だったといえます。生き延びるためにはやらざるを得ない面もあったのでしょう。

 実際、各ブランドがマスクによってどれほどの収益があったのかはよく分かりませんが、個人経営の商店などではそこそこの売上高を稼いだところもあったと聞いています。

 筆者は6年ほど前から在庫処分店の手伝いをしているので、そこと付き合いのある同業他社数社の状況を耳にすることがあります。その中には、1か月間だけで、マスクの売上高が2500万円あった個人業者もいたといいます。年商何十億円規模のアパレルからすると2500万円の売上高なんて大した額ではありませんが、個人経営の商店なら結構な金額です。ネット通販を手掛ける個人業者の中には、1か月間でマスクを8000万円売った人がいたとも……。

 しかし、マスクバブルが長く続かないことは、ニュースを見ていれば容易に予想できました。

 賛否両論ありますが、アベノマスク配布の発表がマスクの値上がりに歯止めをかける一定の効果があったという意見もあります。なにせ、全世帯に2枚ずつ、洗濯すれば繰り返し使える布マスクを無料配布することを公言したわけですから、時間が経過すれば最小限のマスクは行き渡ることは目に見えていましたし、すでに布マスクを手作りしている人もたくさんいました。長期間にわたってマスク特需が続くことは考えにくかったのです。

 また、興和やアイリスオーヤマ、シャープなどの大手企業も何千万枚規模でのマスク増産を発表していましたので、マスクの供給が早晩需要に追いつくことは明白でした。

 例えば、3月5日に興和は「ガーゼマスクを3月に1500万枚規模、4月には5000万枚規模で生産する」ことを発表しています。社名に馴染みのない方もおられるようですが、カタカナで「コーワ」と表記すれば、『コルゲンコーワ』をはじめ、医薬品で著名の会社とピンと来る人も多いのではないでしょうか。もともと、同社は繊維関係の商社でブランドビジネスなども手掛けていますし、興和紡という紡績も持っていますから、繊維に強い会社なのです。

 当然、興和のマスク生産体制は5月以降も続いていましたから、待っていればマスク不足は緩和されることは目に見えていたのです。

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