電通が請け負う公共事業に自衛官募集や福島県復興PRなども

NEWSポストセブン / 2020年6月24日 7時5分

電通の仕事の幅広さには舌を巻くしかない(時事通信フォト)

 国の持続化給付金事業では、経産省から同事業を769億円で「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」が受託、20億円を差し引いた749億円で電通に再委託したことが明るみに出た。電通からはさらに下請けに645億円で発注をし、104億円を“中抜き”した。今回の問題がなぜ国民の怒りを買っているかといえば、電通が“濡れ手に粟”で懐を潤わせている国家事業の予算が、公金で賄われているからだ。

 一般的には民間の企業広告を仲介する「大手広告代理店」と評される電通だが、公共事業仲介業者としての側面を持っている。他にも政府や官公庁から電通が請け負う事業は数多く存在する。

 非営利系シンクタンク「構想日本」や、ジャーナリズムNGO「ワセダクロニクル」などが、政府や官公庁が公表する統計や予算をデータベース化した「JUDGIT!」というサイトがある。

 それによると、2015~2017年度だけでも、内閣官房、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文科省、厚労省、農水省、国交省、経産省などの各省庁が電通に440件の事業を発注している(再委託を含む)。

 2015年度には防衛省から「自衛官募集広報宣伝」を受注し、募集案内やポスター印刷などを行なった。事業の目的には「職業としての自衛官を認知、受験に対する意識、受験の決心までの広報を行うことを目的とする」と記述されている。

 2011年の東日本大震災以降、2018年までの7年間で、福島第一原発事故の風評被害の払拭や福島県の復興PRのために、国や福島県から約240億円が電通に委託されていた。

 この事実を情報公開請求で突き止めたミニコミ誌「たぁくらたぁ」編集長の野池元基氏が語る。

「最も金額が大きかったのは環境省で、除染や瓦礫処理の啓発などのため、2012年度からの7年間で129億245万円を支払っていました。次に多かったのは復興庁の13億9328万円で、テレビCMや電車広告などを行なった。福島県からも同時期に復興PRなどで73億8800万円を受注しています。電通が受注した後、子会社などに再委託や再々委託をしていたケースもありましたが、情報公開された契約書は黒塗りの部分が多く、そのカネの流れまでは追いきれませんでした」

※週刊ポスト2020年7月3日号

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