たけし・さんま・タモリ 「お笑いBIG3」の魅力の本質

NEWSポストセブン / 2020年6月25日 16時5分

BIG3を間近で見た男がその魅力を語る

「BIG3」と呼ばれ、お笑い界に今も燦然と輝く3人の“巨頭”。彼らはなぜ下の世代の突き上げを受けても第一線で活躍し続けられるのか。同世代を生きてきた高田文夫がそれぞれに感じた独特の“匂い”とは──。

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 1980年の“漫才ブーム”と1981年『オレたちひょうきん族』で大ブレークしたビートたけし・明石家さんま。同じスタッフチームによって作られたタモリの『笑っていいとも』。同世代として同じ時代を生きた裏方スタッフの私としては、面白くて嬉しくてたまらない毎日だった。

 この3人が世に出てしまったら、TV界は今後草木も生えない状態になるなと感じていた。あまりに傑作なキャラクターの3人なので1988年から約10年間フジテレビは新年特番として彼らの日頃のフジへの貢献のお年玉として『タモリ・たけし・さんまBIG3 世紀のゴルフマッチ』を用意した。「英語禁止ホール」などで爆笑した記憶もあるだろう。ここから彼ら3人を称してマスコミでは〈BIG3〉と言うようになった。

 たしかにダウンタウンが出てくるまでTVには草木どころかコケも生えてこなかった。

 日本人は3という数字が好きで御三家、三羽烏などとまとめるが〈笑い〉の世界で戦前から戦後すぐまで〈昭和の3大喜劇王〉と呼ばれたのが誰もが知る(知らないか、もう)エノケン(榎本健一)、ロッパ(古川緑波)、(柳家)金語楼である。その人気のすさまじさは私ですら分からない。なにしろ喜劇王なのだ。

 私の長い研究の結果、ひとつの定理を見いだした。3人である以上、その必然があるのだ。

 笑いの本場・浅草から出て抜群の運動神経を誇り歌も歌う。体技がひたすらおかしいのが〈エノケン&たけし〉、インテリゆえに体は動かさずに主に言葉の芸が〈ロッパ&タモリ〉、落語家出身なのに落語はあまりやらずひたすらTVが好きでTVではしゃぐ〈金語楼&さんま〉という構図である。これを指摘したのは史上初、私が初めてである(だからどうしたって話だが)。

“芸”というのは目と耳で判断するものではなく私はライブでそこに身を委ねてその芸人の匂いみたいなものを感じることだと思っている。

 たけしは煮込みの匂いがし、さんまは大阪のタコ焼きの匂いがする。タモリはバーのカウンターに置かれた“かわきもの”の匂いがするのだ。それはたけしの師匠が深見千三郎であり、さんまの師匠が笑福亭松之助であるのにタモリは「シェー」のイヤミ同様、赤塚不二夫の作品のひとつにしか過ぎないからである。

 タモリ出現後、芸能界には師匠無しのノーブランドが量産されていく。

■イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2020年7月3日号

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