増長する北朝鮮の武力挑発 それでも韓国が経済支援する矛盾

NEWSポストセブン / 2020年6月23日 7時5分

北朝鮮によって破壊された南北共同連絡事務所(朝鮮通信=時事通信フォト)

 北朝鮮と韓国が一触即発の緊迫状態に陥っている。6月9日、北朝鮮が南北を結ぶすべての通信回線を遮断したことに始まり、同月16日には開城(ケソン)にある南北共同連絡事務所を木っ端みじんに爆破した。いったい北朝鮮の強硬姿勢はどこまでエスカレートするのか──。ジャーナリストの宮田敦司氏がレポートする。

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 一連の北朝鮮の挑発行動はさらに続く公算が大きい。北朝鮮は軍の行動計画を実行に移し、一段と緊張を高めるだろう。朝鮮人民軍総参謀部は、非武装化された地帯に進出し、前線を要塞化すると宣言しているからだ。

 もっとも考え得ることは、2018年の軍事合意にもとづき撤収した非武装地帯(DMZ)の監視所や、2000年代に軍を撤収させた開城工業団地や金剛山観光地区を再武装することだが、それ以外にも深刻な事態の発生が考えられる。

 そこで本稿では、北朝鮮軍の過去の挑発行動から、今後起こり得る事態について考えてみたい。

◆延坪海戦(第1延坪海戦)/1999年6月15日

 この事件は朝鮮戦争以来もっとも大規模な海上における戦闘である。

 北朝鮮海軍艦艇が韓国領である西海五島(黄海上にある韓国の5つの島)北側のNLL(北方限界線・事実上の海の軍事境界線)を侵犯したため、韓国海軍の哨戒艇が体当たりして押し出そうとした。

 これに対して北朝鮮海軍の警備艇が発砲し、これに韓国軍が応戦。北朝鮮軍の魚雷艇1隻及び警備艇1隻が沈没し、残った北朝鮮艦艇がNLLの北側に引き上げた。

 韓国軍が北朝鮮軍の通信を傍受した結果、北朝鮮軍の死傷者は130人以上であることが判明した。韓国軍は「デフコン3に準ずる態勢」を発令した(デフコン=DEFCONは防衛準備態勢のレベル)。

◆西海交戦(第2延坪海戦)/2002年6月29日

 1999年に続く黄海上の軍事衝突事件。黄海上の延坪島(ヨンピョンド)付近で発生した。韓国側は、この交戦によって戦死4名、負傷者19名、行方不明者1名(後に哨戒艇引き上げ作業時に遺体で発見)、さらに哨戒艇1隻沈没という損害を受けた。

 また、負傷者1名が後日、病院で死亡。北朝鮮側の損害は、死亡13名、負傷者25名の計38名。警備艇1隻が炎上した。

 北朝鮮海軍警備艇「トンサン岬684号」は当時、NLLを侵犯した後、哨戒中だった韓国海軍第2艦隊司令部の232高速艇編隊に、85ミリの艦砲で先制攻撃を行った。

 第2延坪海戦以前にも、この警備艇はNLLを2度侵犯している。海戦2日前の6月27日には52分間にわたって、翌日の28日には4時間にわたって、それぞれ韓国海域に進んだ後、北上した。3日目の29日にこの警備艇が3度目にNLLを侵犯し、韓国海軍の第2艦隊艦艇と戦闘を行った。

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