小池百合子氏の発信力は認めるがなぜか鼻につくと下重暁子氏

NEWSポストセブン / 2020年7月1日 16時5分

女性作家は小池氏をどう見た?(写真/EPA=時事)

 救世主か?“怪物”か?──。ベストセラーとなっている『女帝 小池百合子』はそう問いかけているが、厳しい目を持つ女性たちに小池百合子都知事(67)の「真実の姿」はどう映っているのだろうか。作家の下重暁子氏(84)が分析する。

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 小池百合子さんが学生時代を過ごしたエジプトのカイロに、私は半年住んでいたことがあります。

 あれは1977年のことでしたが、カイロで小池百合子さんのご家族が日本料理店を経営していて日本人がよく利用していたと聞きました。そこの娘さんがカイロ大学に通っていたと話題になっていたようです。日本人というのが珍しく、さらに女性だということで印象に残ったのでしょう。それが小池さんでした。

 その後、政治家となられた姿を見るようになりましたが、キャスター経験もあるからか発信力があって、これは才能なのかもしれません。

 小池さんの言葉にカタカナが多すぎるという批判を耳にしますが、彼女の外来語の使い方は「都市が封鎖されている、いわゆるロックダウンをされている」と言葉を添えるから気にならない。むしろ私は上手だと思います。言葉遣いも的確で、人の気持ちを掴むのがうまい。勘がいいのでしょう。

 政治家は言葉で勝負するものです。それなのに言葉が人に伝わるような政治家はあまりいません。小池さんは心を込めているのかどうかは分かりませんが、発言が心に残ります。多くの政治家はこれに学んだほうがいいとさえ思っています。

 ですが──。小池さんには、どうしてももったいないところがあります。

 彼女の立ち居振る舞いには「自分が、自分が」という部分が垣間見えるのです。もちろん政治家ですから目立たなきゃならないわけで、目立つこと自体が悪いとは思いません。

 ただ、どうも“鼻につく”のです。これはご本人がやりたい政策を訴えるというよりも、自分を目立たせたいという部分が感じられるからじゃないでしょうか。

 私自身、女がトップになることは大賛成ですが、小池さんの場合、女を売り、媚を売っている部分がやはり鼻につく。そこに野心が見えすぎるからでしょうか。野心というものは、表に出すものではなく、黙って内側に力をためて、訓練して蓄えれば自然と表に出てきて、成果をもたらすものだと思っています。

「希望の党」の時は、まさに彼女の野心が悪いほうに出たのでしょう。都知事になり、都議選でも勝利し、将来の首相というのが見えてきた。そうして成果を急ぎ過ぎた結果、失敗したのだと思います。

 都知事に当選した時が、ある意味彼女のピークだったと思います。イメージ戦略が好循環となり、都民の支持を得られた。ところが、その成功を過信し、国政進出に動いた。小池さんが首相になりたいということに国民が気づいた時、彼女を見る目が変わったのです。

 首相というのは取りに行くポストですが、首相の座を狙っていることが見えちゃダメなのです。

 残念なことに、せっかく才能があるのに、肝心な時に野心が見えすぎてしまうのが小池さんなのでしょう。

※週刊ポスト2020年7月10・17日号

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