小池百合子たたきにフェミニスト側から批判出ない違和感

NEWSポストセブン / 2020年7月4日 16時5分

国際政治学者は三浦瑠麗は小池百合子をどう見る?(写真/共同通信社)

 救世主か?“怪物”か?──。ベストセラーとなっている『女帝 小池百合子』はそう問いかけているが、厳しい目を持つ女性たちに小池百合子都知事の「真実の姿」はどう映っているのだろうか。国際政治学者の三浦瑠麗氏(39)氏が分析する。

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 私が小池さんを認識するようになったのは、彼女がNSC(国家安全保障会議)設立の担当補佐官から防衛大臣となって、(コンドリーザ・)ライス国務長官に“マダム・寿司と呼んで”なんて言っていた頃です。

 当時、私自身が(東京大学大学院の)修士課程で国防会議を作るべきという研究論文を書いたこともあり、安全保障改革を推進されていたので好感を持っていました。

 でも小池さんは、テレビ討論などで森本敏さんのような専門家のサポートを受けないと明確な説明ができなかった。それを見て、愕然とした記憶もあります。

 とはいえ、政治家は専門分野を何から何まで分かっている必要はなく、政策を決断し、実行するのが役割です。以降、私は小池さんについては広報官的な政治家という見方をしてきました。広報能力には長けた人で、決断自体は機を見るに敏、世の中の流れを察知して決断する能力はあります。

『女帝 小池百合子』が話題ですが、私は著者の石井妙子さんがもともと好きで、才能があり粘り強く取材をされている素晴らしい作家さんだと思います。ただ、内容は小池批判が中身よりも外見や手法にばかり向いているなと感じました。

 例えば二階(俊博・幹事長)さんは派閥の領袖のご機嫌伺いをしたり、政党を渡り歩いた経験もありますが、このことについて誰も何も言わない。

 だけど小池さんには「女」というところがあって、批判も評価も過度にされるところがある。男性政治家に人望のない人がたくさんいる中で、小池さんがあそこまで否定されるというのは、女性による女性に対する嫌悪が見え隠れします。

 そしてどうしても引っかかるのが、こうした小池さんへの批判についてフェミニスト側から批判が上がらない点です。野党の女性でフェミニスト問題では日頃から何かあれば批判の声を上げるような人が、『女帝』に描かれた小池さん批判は文字通り受け止めている。

 それならば小池さんはどうすればよかったのか。女性らしく一歩引いて、目立ったことをやらなければよかったのか。ミニではなく、ロングスカートやパンツにすればよかったのか。

 あれだけお綺麗で、かつ才覚が利く人がいれば、実際に男性たちの目がくらんでいたのは確かだと思います。でもそうした男性に与えた影響を考える上では、小池さんを個人として否定するよりも、社会の問題だと受け止めるべきです。

 それに、世の中は上昇志向の強い人を許さないところがあるんです。女性の場合は特にそうで、そういう人がコケると叩く風潮がある。

 でも政治家というのは権力志向のある奇妙な人たち。小池さんを批判するなら、人望が少なく中身がないということを中心に批判すればいいのではないかと思うんです。

※週刊ポスト2020年7月10・17日号

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