安倍政権のお友達人事がもたらした不祥事、歪んだ一強体制

NEWSポストセブン / 2020年7月12日 16時5分

新型コロナ対策の失態が続き安倍政権の「一強独裁」が崩れ始めている(写真/時事通信社)

 第1次内閣の約1年間を合わせた「首相在職期間」が戦前戦後を通じて歴代1位の安倍晋三首相。今年8月24日には、2度目に首相になってからの「連続在職記録」でも現在1位である大叔父の佐藤栄作元首相(安倍首相の祖父・岸信介元首相の実弟)の7年8か月の記録を抜く。

 しかし、現在の支持率は低迷中。新型コロナウイルス対策への失望感、検察庁法改案に対する反発、森友問題など、いくつもの問題を抱えており、国民の不信感も爆発寸前だ――。

 そんな安倍政権を象徴するのが人事だ。安倍首相は人事でも能力主義や信賞必罰ではなく、自分の親しい政治家だけを重用する“お友達人事”を徹底し、自分に批判的な政治家を排除していく。

 首相のいちばんの“お気に入り”とされる稲田朋美氏は防衛大臣時代に虚偽答弁や不祥事で与党内からも批判を浴びて辞任したが、いまや幹事長代行に抜擢されて復権し、首相のバックアップで“初の女性総理”を目指している。

「首相の盟友」の甘利明氏も経済再生大臣時代に口利き疑惑で辞任に追い込まれながら、自民党内で“影の財務大臣”と呼ばれる重要ポストの党税制調査会長に起用されている。

 逆に、自分に逆らった政治家は自民党議員であっても容赦せずに議席を奪う。

 東京地検特捜部に逮捕された河井克行・前法相と妻の案里・参院議員の選挙買収問題も、背景には安倍首相が自分に従わない自民党の大物参院議員の追い落としをはかったことがある。

 その人物とは溝手顕正・元自民党参院議員会長。かつて安倍首相を「過去の人」と呼ぶなど批判的な発言を繰り返してきたことで知られる。安倍首相はその恨みを忘れておらず、権力を握ると溝手氏を参院議員会長から更迭(2016年)したうえ、2019年の参院選では広島選挙区から出馬した溝手氏に自民党から2人目の候補をぶつけた。その“刺客”に選ばれたのが案里氏だった。首相は案里氏の応援に自分の秘書4人を派遣したほか、自民党本部も河井夫妻に異例の1億5000万円を渡し、金権選挙が展開され、溝手氏は落選の憂き目にあう。

 安倍首相の「お気に入りは出世させ、意向に従わない者は切る」という方針は官僚人事にも適用された。霞が関の各省庁の幹部たちは出世のために首相やその取り巻きの顔色をうかがうようになり、政策は首相の意向を忖度して決められるようになった。

 こうして誰も安倍首相に逆らえない「一強」体制が確立し、長期政権につながったのである。安倍一強の長期政権は行政の大きなゆがみをもたらし、数々の政権スキャンダルが噴出する。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング