中国の副都心計画 北京からのコロナ感染拡大で暗雲

NEWSポストセブン / 2020年7月12日 7時5分

北京でコロナが再流行

 中国の首都・北京市内の生鮮食料品の卸売市場が感染源とみられる新型コロナウイルスが市内で再流行し、6月11日以降、数百人の発症者が出た。市場内の店舗の経営者や従業員ら2000人が住む河北省安新県でも少なくとも12人の感染者が見つかり、県の住民50万人を対象に外出禁止令が出されるなど、事実上のロックダウン措置がとられている。

 安新県は「1000年の大計」と呼ばれ、習近平国家主席が肝いりで建設を進める首都機能移転の「副都心」建設構想である「雄安新区」の一角をなす重要な地域。新都市構想が発表されて、今年4月で満4年目を迎えたが、いまだ計画の基礎段階なだけに、早くも都市構想に暗雲が漂っている。

 BBC放送によると、中国の保健当局者は6月28日、「北京から約150キロ離れた河北省安新県を完全に封じ込めて規制下に置く。今年初めに武漢市において流行がピークに達していた際に実施されたのと同様の措置が講じられることになる」と発表した。

 また、安新県では6月27日から各村、小区などにおいて、住民の出入りを通行証などで厳重に管理する封鎖式管理が実施された。食料品や医薬品などの必需品を購入するための外出は、各家庭から1人のみ1日1回許可されるという。

 中国国営新華社通信は「安新県では12人前後の感染が確認されており、うち11人の感染が、集団感染が発生した北京市の食品卸売市場『新発地』に関係している」と報じた。新発地では同県の住民2000人が働いているという。

 これら2000人は感染者と濃厚接触した可能性があり、当局が県全体をロックダウンしたとみられる。

 しかし、問題は同県だけにとどまらず、今後、感染被害が同県の近隣地区に及ぶ可能性があることだ。とくに、新副都心を建設するために4年前に設置された国家級新区である「雄安新区」は同県のほか、同県に隣接する雄県や容城県などの一部地域が編入されており、地域住民は日常的に交流している。このため、今後の感染拡大の状況次第では、隣接する県のほか、雄安新区自体もロックダウンしなければならないとの可能性も出てくる。そうなれば、新区の建設作業も途中で一時中断せざるを得ず、習近平主席の肝いりのプロジェクトにも少なからず影響が出ることが予想される。

 しかし、ネット上では「移転が予定されている北京の行政機関や研究機関、大学などの関係者からは『北京から出たくない。この新型コロナウイルス騒ぎで、計画そのものがなくなればいいのに』との本音の声が漏れている」との書き込みもある。

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