『半沢直樹』人気支える4つの仕掛け 「わかりやすさ」がカギ

NEWSポストセブン / 2020年7月28日 16時5分

続編が話題を集める堺雅人

 池井戸潤氏原作で、堺雅人主演の連続ドラマ『半沢直樹』(TBS系)の勢いが止まらない。第1話の平均世帯視聴率22.0%、2話22.1%と好調が続き、毎回、放送中からSNSでは大きな盛り上がりを見せている。好調を支えているポイントとは? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 そんなわけで高視聴率が続く『半沢直樹』。第一話で半沢の天敵・大和田(香川照之)の「施されたら、施し返す。恩返しです」の一言に大笑いし、半沢の「やられたら、やり返す。倍返しだ」に「出ました!」と元気よく反応してしまった方も多いと思う。電脳雑伎集団

 かつて自身が働く東京中央銀行の不正を明らかにした半沢は、新シリーズでは、東京中央銀行の子会社である東京セントラル証券に営業部長として出向中。新進のIT企業スパイラルの買収を狙う大手の電脳雑伎集団のアドバイザーになるはずが、この大口取引を親会社の銀行に奪われてしまう。卑劣な手を使って半沢潰しを目論む銀行の面々に対して、半沢はスパイラルのアドバイザーになり、徹底抗戦を宣言する…。

 熱い。目が離せない場面が続いているが、このドラマをよく見ていると、物語の面白さとともに、“見えているけど見えてない仕掛け”がいろいろあることに気がつく。そのキーワードは「わかりやすさ」だ。

 まず、仕掛けの第一は、構造のわかりやすさだ。圧倒的に力を持っておいしい仕事を横取りする親会社とゴミのような案件を押し付けられても文句の言えない子会社。セントラル証券の内部でも銀行からの出向組は、証券会社の社員を「プロパー」と呼んで露骨に下に見る。ここで銀行本体に対する半沢の立場の弱さ、部長として社内調整の難しさをしっかりと示す。

 第二に数字。以前のシリーズで半沢が「私は必ず回収する!」と奮闘した数字は「5億」だった。端数なしでわかりやすい。今回もスパイラル買収に必要な資金は1500億円。スパイラルを助ける「ホワイトナイト」のふりをして裏では銀行側とつながっていた腹黒企業が受けるはずだった融資の金額が1000億円。今回も端数なし!

 ホワイトナイトの意味や融資の仕組みなども、半沢らがホワイトボードや企画書で図解で示して「からくりをご説明しましょう」としっかり解説。裏切り者は誰かを探るときには、ひとりずつの写真を用意するきめ細かさ。顧客や仲間に語られるセリフで視聴者にもよくわかる仕掛けになっている。

 第三に証拠の提示。第一話では半沢を陥れようとする銀行の証券営業部長の伊佐山(市川猿之助)とセントラル証券内部の裏切り者・諸田(池田成志)のメールの文面を、第二話ではスパイラルを騙す太洋証券の広重(山崎銀之丞)が電脳雑伎集団に接触する写真を、まるで「水戸黄門」の印籠のごとく、敵にビシッと突きつける。気持ちいい!

 そして、わかりやすい敵のキャラ。「ハイ、残念でした。君はもうおしまいです。お・し・ま・い」「詫びろ、詫びろ、詫びろ~」憎々し気に半沢を見つめ、会うたびにこんな言葉をぶつけてくる伊佐山をはじめ、口をへの字にした冷たい顔の副頭取(古田新太)、顔全体でイライラを出しまくる大和田など、半沢の敵はみんな悪人顔丸出し。今回は堺雅人、部下の森山(賀来賢人)、浜村(今田美桜)の「面長組」VS猿之助、古田、香川の「丸顔組」の対決。この見た目のわかりやすさは、すごい。

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