神戸山口組の“最大派閥”が分裂、山健組緊迫の幹部会と今後

NEWSポストセブン / 2020年8月6日 7時5分

六代目山口組・司忍組長(時事通信フォト)

 六代目山口組と抗争中の神戸山口組が揺れている。最大派閥である山健組が真っ二つに割れ、トップが半数の直参組長を連れて離脱したのだからただ事ではない。

 五代目山健組の中田浩司組長は現在、六代目山口組の中核組織・弘道会傘下組員を銃撃したとして、起訴・勾留されている。山健組分裂はこの中田組長と、山健組の先代であり、神戸山口組の現トップ・井上邦雄組長の軋轢が原因とされる。

「山健組は神戸山口組に高額の上納金を納めていて、かなりの額が井上組長の懐に入る。今年1月の特定抗争指定に加え、新型コロナで身動きが取れなかったため、中田組長は会費減額を打診したが、井上組長が承諾しなかった」(警察関係者)

 7月22日に開かれた山健組の幹部会は紛糾した。前回の幹部会で中田組長の意思確認のため、全直参が手紙を送ったが、「神戸山口組から離脱する」という中田組長の意志が変わらないことが弁護士を通じて伝えられた。

 中田組長につくか、井上組長につくか。欠席者に加え、退席者も出たが、最終的に50人弱の直参のうち、20人以上が離脱に賛同したとみられる。離脱派も残留派もそのまま五代目山健組を名乗ることになり、山口組同様、2つの山健組が存在し、互いに正統性を主張し合うことになる。警察は中田派は神戸山口組とは対立せず独立団体となるとみているが、井上組長は中田組長に「絶縁」や「破門」といった処分を決めておらず(7月30日時点)、動向に注目が集まる。

 山健組分裂の衝撃は神戸山口組にも伝播した。後押しされたかのごとく、5月に岡山市で若頭を銃撃された池田組が離脱した。山健組と同じく神戸山口組の屋台骨だが、分裂抗争の第三勢力・絆會(元任侠山口組)と合流した。山健組と絆會は、2017年に織田絆誠組長を狙ってボディガードを射殺した遺恨があり、絡み合った情念を解きほぐすのは難しい。

 対岸の火事を見物している六代目山口組側は余裕を見せる。

「彼らは我々が処分した者たち。一度裏切った人間は、何度も同じ轍を踏む。裏切りに抵抗もないのだろう」(直参組織幹部)

 抗争は組織を繁栄させた側が勝利する。すべては、今後組織力を増大させられるかにかかっている。5年にわたった分裂抗争は最終局面を迎えた。

●鈴木智彦(フリーライター)

※週刊ポスト2020年8月14・21日号

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