「水曜どうでしょう」名物Dが政治家とプロデューサーを語る

NEWSポストセブン / 2012年12月8日 7時0分

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「水曜どうでしょう」のディレクター、藤村忠寿氏(47歳)

 北海道発のローカルバラエティー番組、しかもレギュラー放送終了から10年も経つのに、いまなお全国区の人気を維持する「水曜どうでしょう」。サイコロを振って行き先を決めたり、原付バイクでベトナムを縦断したり……。その珍道中、ハプニングの連続が視聴者の心をワシ掴み。メイン出演者の大泉洋氏は番組をきっかけに押しも押されぬ俳優となった。

「水どう」の生みの親であるディレクターの“藤やん”こと藤村忠寿氏(現・北海道テレビ放送エグゼクティブディレクター)は、現在もテレビドラマや舞台の演出、講演会や著書の執筆など多忙な日々を送る。「昔は地方自治体の首長になりたかった」と明かす藤村氏が、リーダー不在のテレビ界、政界にモノ申す。

 * * *
「総理大臣になりたい!」っていう子供って、今いるんでしょうか。

 だって、総理でいられるのって、今や数か月からせいぜい2年ぐらいでしょう。で、その間、尊敬されるどころか主にバッシングを受けるわけでしょう。「ボクは将来、総理大臣になって、いっぱいいっぱいバッシングを受けたいです!」なんていう子供はいないと思うんですよね。

 私は昔、市長とか町長になりたいと思ってました。もう40年近く前のことです。あのころはまだ、日本という国が目指すべきは、経済的な発展であり、物質的な豊かさであるとみんな思ってました。進むべき道に迷いはなかったわけです。だから、その先頭に立つ政治家に、子供が無邪気に憧れることもできました。

 でも今は、経済の発展には頭打ちがあることを知り、物質的な豊かさが人を必ずしも幸福にするわけではないとわかって、これから進むべき道がまだはっきりしない時代です。そして、その先頭に立つ政治家は、道を示せないまま混乱し、お互いの欠点を言い合うばかり。今の子供が政治家に憧れるとは思えません。

 私は今、テレビの仕事とは別に、札幌の市民大学で「2050年の札幌を考える」という講座を開いています。年齢も仕事もバラバラな10人あまりが休日に集まって、札幌の未来を語り合います。その中で「札幌が劇的に良くなるグッドアイデア」なんてものは出ません。語り合いの中で出たのは、「町は人によって作られる」のだから、一番大事なことは「人を育てること」つまり「教育ではないか」という非常にシンプルなものです。

 だから、今の我々にできることは、この町を壊さずに維持すること。その中で、豊かな発想力を持てる人間を育て、彼らに将来を託す。結局、それしかできないのではないかということでした。

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